長崎弁講座
かっぽ・おっぽ 長崎の飲食風景というと、五島や島原の根気強く、粘りと人柄で勝負をかけて行った店店が残っていくのである。砂糖を右から左に流すような長崎商人の商売では泡銭のようなものは湧くのであろうが、菓子屋や飲食店という細くも長い商売というの…
「スイモン」顛末 冬のある日、友人の家で鍋と焼肉でもやろうと長火鉢を囲んで過ごす夜があった。刺身でも土産で持って行くかといつもの魚屋によってみると、シマアジのサクを勧められたのである。いつもなにがしのオマケをくれる大女将さんは、この日は養殖…
長崎市内では強弱豊かに、佐世保市内では平坦に 「なんか、わざとらしいですよね」 長崎県へ出戻りでやってきて「ながさきことば」で喋っていた際、初めに職場で言われたのはこの言葉であった。県北エリアでは普通に聞こえ、普通にしゃべられているように喋…
ひと・ものをさす言葉にご注意を 長崎弁を話す人々の間では、特に近しい間柄の人たちで「わいわ(は)さー」「おいんとこノー」とやってるわけである。ある時、おかみさんに旦那さんが「わいわさー」とやっていて、話が見えてこなくて、なんで旦那さんがそれ…
新日本紀行 「長崎くんち 傘鉾の舞い」 はじめに一本のビデオから紹介しよう。昭和50年11月放送の、NHKの新日本紀行で長崎くんちを取り上げた物である。「長崎くんち 傘鉾の舞い」と題された新日本紀行の番組である。長崎くんちが、長崎のまちっこからす…
おかみさんは龍踊りが好きである。有名な籠町の前の方の龍衆の一人を祖父に持たれるほどで、籠町のくんちの大ファンで、龍踊りといえば、籠町というほどである。くんちにはあまり女性の出る場面は現在ないのである。 Covid-19下で神事のみが行われているが、…
味を示す長崎弁 おかみさんは料理屋さんをやっているため、当然、味にはうるさい。盛り付けや刺身と醤油の温度にも細かく指示を出しながら、切り盛りしているのである。細やかな心配りと大胆な心持ちとができるあたりは、どこか長崎のまちっこらしくはないよ…
長崎県における敬語表現 長崎県における敬語表現は地域によって、異なる。大きく県北エリア、県央エリア、県南エリアで異なっている。県北エリアで中心的なのは佐世保弁であるが、平戸弁をベースに、西九州から北九州エリアの方言が混在しているため、佐世保…
長崎弁の発声され方 おかみさんと話していると、長崎弁における独特の発音に気づく。おかみさんは標準語を喋ろうとしても、長崎弁のイントネーションで標準語+長崎弁のセンテンスを紡ぎ出していくため、これは長崎弁ですヨとなってしまうのである。一生懸命…
おかみさんはマルチリンガル(?!) おかみさんはすぐに長崎のどこの出身なのかを見抜く。「あんひとは茂木んひとよ」「式見っぽかさねー」などとすぐにわかるらしい。長崎市の辺縁にあるような集落ごとでは、方言が異なるらしく、名詞ですら、他所のものに…
カズがかずむ おかみさんには、東京帰りの旦那さんがいる。長崎弁というより標準語調の話し方も混じる点では、おかみさんとは話し方が異なり、余所者の筆者からすると興味深いのだ。標準語調の長崎訛りというと、単語は混合され、そこに長崎弁の抑揚や発音が…
おかみさんはカンボコが好き 長崎一番のカンボコこそが世界一、宇宙一と思って育ったという。カンボコというのは長崎市内ではすり身のもの全般を指し、板付け、ちくわ、あげかんボコと少しずつ細分化されていく。おかみさんの幼少の頃の長崎一番のカンボコは…
おかみさんは生粋の長崎まちっこ 「おかみさん」は長崎市の中心地で育ち、コナモンも焼ける人情溢れる方である。オオサカのおばちゃんの様であるが、人柄も舌も言葉も古い長崎の風情があるのである。そんなおかみさんにより、毎週のように長崎弁のプチ講座が…