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Dynamic Nagasakiを見つめ直します。現在おっさんがちゃんぽん食べ歩いています。

【長崎弁で悩む】その12 「かっぽの会」日本料理 清花和 五島弁の「かっぽ」 「ねぶる」

かっぽ・おっぽ

長崎の飲食風景というと、五島や島原の根気強く、粘りと人柄で勝負をかけて行った店店が残っていくのである。砂糖を右から左に流すような長崎商人の商売では泡銭のようなものは湧くのであろうが、菓子屋や飲食店という細くも長い商売というのは、五島や島原の人々の気質の方が合っているのである。

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飲み友達に五島出身のバーテンダーがいる。なっちま(奈留島)、島原、長崎と長崎県の働き者街道を進んできたためか、どこか朴訥としており、楽しくお付き合いさせていただいてる。あるとき、魚のおかしらの話となり、でてきたのが、「かっぽ」という単語である。頭のことを「かっぽ」と呼んでいるらしい。おっぽに対してかっぽと言うんだというところから、「かっぽの会」と言う名前がきまった。

また、五島の方々というのは、どこか見栄っ張りのところがあって、あまり現地の言葉でやりとりするのを好まないようであり、余所者にはあまり見せない一面でもある。そこで、「かっぽの会」という怪しげな会を立ち上げて、魚のあら、要は骨や頭など、長崎の人々が殿様喰いをして、食べ散らかすところを、ひたすら堪能する会をいうのを立ち上げたのである。場所はもちろん清花和である。

第一回かっぽの会

先付け 鱧の酢味噌

少しく下世話な感じのするコースの初めは鱧の酢味噌から。過去の鱧づくしにもちなんでのスタートである。かっぽの会と魚好きが集まるだけあり、器も魚である。

鱧の酢味噌

清花和の刺身

珍しく、イサキがいたのである。

刺身

蒸し物 オウメダイの胡椒蒸し

ピリリと効いた胡椒、赤唐辛子がまた良い刺激となる。ここに添えられる茗荷のまた良い香りのこと。

オウメダイの胡椒蒸し

焼物 タイの塩釜焼き

塩釜焼きというのは清花和でもお目にかかることが多いメニューである。今回は塩と卵白で固めた塩釜にタイのカブトを入れて焼き上げた一品。皆でめいめい木槌を持って、頭に振り下ろすのであるが、塩のカケラは飛び散り、掃除も大変そうである、などと思うのである。

タイのオカシラにみえるだろうか?板場の子が描いてくれたという

セロファン包にして、水分を飛ばし、旨味と塩味の程よく滲みた身を

煮物 アカハタのあら炊き

夏の名残のかっぽの会としてであり、今年の漁獲の様子も映すである。根物の魚が多かった2022の夏であり、ハタが出てくるのだ。

アカハタのアラ炊き

御飯と留椀 イシダイの潮仕立て

イシダイの潮仕立てというのか、ただ、スイモンとしてなのか、というのはさておき、最後まで魚の頭として、皆でチウチウとねぶって回っての頭づくしであった。

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タイの押し寿司と石鯛のスイモン(潮仕立て)

石鯛のスイモン

ねぶる(舐る)

「ねぶって、やらしかー」と掛け合いながらの「かっぽの会」であった。魚のアラ、頭周辺というのは、骨が大きく、そこの中にも小さな筋肉やゼラチン質、脂などが含まれており、それを分解して、身を剥がし、ちうちうと吸い出し、骨に染み込んだ風味まで楽しむものである。この会の醍醐味みたいなものである。長崎でも使われ、中京県以西で聞かれるという。古語とする説もあるようである。

意味:しゃぶり、なめる。ただ舐めるというよりは、口の中で陰圧をかけて舐めてしゃぶるようなニュアンスである。

ある年代では、性的な感覚を誘発するといい、この辺りの世代間ギャップも興味深い。

最後に

参加の皆様のご好意と、日本料理 清花和の篤い支援により、第一回が執り行われた。骨の髄までというわけではないが、身は剥がされ、しゃぶりつくされ、白い骨と一部のうろこだけが積まれた残骸は、また珍妙な光景であっただろうが、これも長崎の家の姿でもあった。第一回は4種の魚をそれぞれの大きさや風味にあわせての調理法で楽しめた。それぞれの身質、解剖学的な差異などを食べ比べており、体感として身につき、また、「魚のかっぽ文化」として、全国でも有数の魚種と漁獲高の長崎県でも定着させていけたら良いだろう。今後は季節を追って、魚を変えて、楽しんで行けたらと思っている。

Twitterなどで示しているように、毎週のようにお世話になっているため、できる部分もあるのであるが、1ヶ月ほど先から、いただきたいものを思い描いて、まずは電話にて丁寧にご相談するのが良いであろう。予算、食べたい魚種などを伝えると、その範囲でやっていただけるが、その日に揚がる魚に拘っても良いであろうし、魚種狙い撃ちでも良いであろうし、こういうものは出会いのようなところである。

長崎にやってきた当初から、長崎の食だけではなく、長崎の文化も楽しませてもらっている。また、連泊される方でも、気に入っていただけると、最終の飛行機に間に合うように駆け込みで再訪されたりと、なんだかんだとみなさんギリギリまで長崎を楽しまれる。ともあれ、丁寧にご相談からスタートする宴をはれるのは、料亭文化が廃れつつある長崎においては、ここだけになりつつある。

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