長崎弁の発声され方
おかみさんと話していると、長崎弁における独特の発音に気づく。おかみさんは標準語を喋ろうとしても、長崎弁のイントネーションで標準語+長崎弁のセンテンスを紡ぎ出していくため、これは長崎弁ですヨとなってしまうのである。一生懸命に、標準語を喋ろうとしている様がかわいいとも評判のおかみさんである。さて、そのおかみさんの喋り方で、興味深い事例を見つけたので、報告する。
「この黒かとこはどがんしたとね?」
「かぁのとまっとって、叩いたらさー、ちぃのついとったとさー。」
長崎弁の発声において、一文字名詞は母音を伸ばす
長崎弁の発声において、一文字名詞は母音を伸ばすらしいのである。発声の際には頭にアクセントを持ってきて華語の第四声のように少し低くなるのである。以下に例を挙げてみる。特に強調する際には、この傾向が強くなる様子であり、一瞬何を指しているのか、戸惑うこともあるだろう。
蚊 かぁ kah かぁの飛んどる 蚊が飛んでいる
血 ちぃ chih ちぃのでた 血が出た
目 めぇ meh めぇのかゆか 目が痒い
長崎県内のよその地方ではあまり聞かれない発声であり、「バリながさき」ということになっている。