長崎で見られる謎の麺メニュー
長崎には謎の麺のメニューが多い。拌麺はやはり謎であるが、皿うどんもちゃんぽんも結局は四海樓始祖説でまとめられているのであるから、学術的には謎が多い。それぞれで同時多発的に発祥し、それが本流となって、現在までに至っているというあたりが真実に近いところなのであろう。
そもそものちゃんぽんも、四海樓始祖説しか見当たらず、ついには学術論文までその勢いで本説を推していく様は、商業主義的で拝金主義的、やはりCHINA大陸的プロパガンダの様相で、どうも気味も悪い。1970年代の四海楼のテレビコマーシャルではちゃんぽんのちの字すら出てこない、きちんとした中華料理店であったことが偲ばれる。
メニューの中で、とりあえず盲目的にちゃんぽんを選んでリポートしているのであるが、中には見慣れないメニューの数々が出現することがある。以下のものである。
- 拌麺
- スープうどん
- ちゃんうどん
このうち、拌麺に関しては、とりあえずのまとめ記事として報告しているので、こちらを参照いただきたい。また、追加での提供店が発見されているため、さらに考察を深めてみたいものである。
ちゃんうどんは寿々屋のメニューに登場するのであるが、これも、長崎のこの辺りで生まれ育ったものに聞いてみても、「どうせちゃんぽんの具材でうどんつくってるのよ」程度の認識であるらしく、だれも記述的なアクションをおこしていないのである。
謎の麺メニュー、スープうどん
さて、ある時、常連客一歩手前になっているバーのマスターと、「スープうどんの謎」という話になった。朧げながらのイメージとしてスープに麺と具材が浮かんでいるだけのメニューであり、ちゃんぽんと何が違うのかがわからないという現状であり、更なる調査が必要になるとなった。提供している店舗のリスト化と試食、聞き取りを繰り返し、ことの興り、スープうどんの定義、輪郭をはっきりさせ、ちゃんぽんとの違いを明らかにしていこうということになった。
会楽園のスープうどん
「ちゃんぽんと作り方は一緒。」
「具材が白菜や椎茸などで、コクがある。」
というのがざっとした会楽園の店員の説明である。以下がそのれぽーとであった。
慶華園のスープうどん
2022年5月25日で閉店してしまった慶華園である。ここのメニューにもスープうどんの訳された肉絲湯麺があったのであるが、筆者は結局食べずに終わってしまった。折りからの観光ブームと閉店前の再訪問ラッシュに巻き込まれてしまったのである。前回の訪問時は閑古鳥が鳴いてるほどであったのであるから、また「閉店するといえば、。。。」と巷で話題にのぼるのである。
有華飯店のスープうどん
中華街、華僑系のスープうどんとまた概念がことなりそうなのが、この有華飯店のスープうどんである。前二者がちゃんぽんから派生してきたであろう具材や調理法であるのに対して、この店舗では日本人がイメージする中華スープをベースにうどん化したようなものである。キャセイパシフィック航空などの記載「ラどん」にも似たような不思議な味であった。
まとめとして
自然発生的に出来上がっていくのが、地方におけるさまざまな料理であり、人間の美味さに対するあくなき探究心から生まれ出てくるものであろうから、細かく切り分けてみてまわりたいとおもっている。ただ、まだ何かを言うには数が少なく、徐々に絶滅しつつある料理でもありそうである点が、気がかりなのである。