涼拌麺ではなく、冷拌麺
長崎において、拌麺(パンメン)の文字を見ると、とりあえず、入って見て食べてみるようにしているのである。大陸のものは、汁の上に麺やら具材やらをおいて、自分で攪拌して食べることから拌麺と呼んでいるらしいのであるが、地方が変わると、撈麵と呼び習わすものもあるようである。当地 長崎においては、焼きそばのような位置付けとなり、攪拌するのは店の方であり、その上、炒めて出すのである。
夏も暑い日が続いているため、少し冷たいものでもと思うことが多い。その最中で見つけたのが中華名菜 京華園の冷拌麺であった。京華園のウェブでも7月中旬より始めたと記載を見、去年もあったものであろうかととりあえずは入ってみたのが運の尽きであった。冷拌麺と字面だけをみて入ったのであるが、各席に置かれているポップをみて、「しまった、これはただの冷やし中華が出てくる」と後悔する羽目になったのである。
とにかくやる気のない、長崎のちゃんぽんストリート(新地中華街)を代表する店舗である京華園は、さまざまな噂もそうであるが、メニューにおいて手垢がつき始めた「本日はできません」の羅列などは、この店といい、長崎中華街の特色が滲んでいて大変よろしいのである。
中華名菜 京華園の冷拌麺
キュウリ、ハム、蒸し鶏、チャーシュー、錦糸卵、小ネギ、海老、カイワレが添えられている。ソースはやや胡麻の効いた甘口の醤油ベースであろう。麺は唐灰汁の効いた細い丸麺である。辛子が添えられて提供される。
たしかに大陸的な拌麺のあり方に近い地点へ進んだようにも見える冷拌麺である。盛り付けは自分でやるものの、拌麺というからには、具材と麺とソースを絡めていただくものであるはずなのだが、プレゼンテーションからはそうとも言いきれなさそうである。きゅうりやハムに至っては、スライサーでカットしたものをそのまま切離面がくっついて提供されており、京華園特有の全てにおけるやる気のなさが溢れかえっていて、京華園ファンにとってはたまらない逸品であろう。
店情報
- 住所: 長崎県長崎市新地町9−7
- 電話番号: 0958211507
- 営業時間: 11:00~16:00 17:00~21:00(LO 20:00)
- 支払い:現金、カード、QRコード決済
- web: http://www.kyokaen.co.jp