松浦鉄道 江迎鹿町駅構内の喫茶店 鉄路874
2018年5月にオープンしたと言う、鉄路喫茶という名前の店舗である。江迎や鹿町ときくと、佐世保の人たちからしても、北松(ほくしょう、北松浦郡)のエリアとして認識される。鹿町工業高校などの近隣である。鹿町(しかまち)町を所在地とするが、旧国鉄時代には江迎駅と称しており、江迎川にかかる橋梁付近でこれら二つの行政単位がわかれることとなり、現在では江迎鹿町と駅名がなる。駅構内は現状のローカル線としては広くとられており、北松炭田と呼ばれた、長崎県県北エリアの炭鉱後の栄華の名残がみられる。
江迎川を渡り、江迎の集落に進んでみると、平戸往還の街道筋に出る。平戸藩の本陣が置かれ、佐世保市内からこの地点までは大抵平坦な道を行くこととなり、この先、田平までにやや坂のきつい峠が存在する。集落内はどこか整然と町屋が並んでいたあとがみられ、散策するのにも良いエリアである。8月23日24日には江迎千灯籠まつりが開催されている。
鉄路874のメニューで大多数を占めているのはカレーである。定食のメニューも存在するが、その片隅にちゃんぽんが記載されており、まあ少し時間のかかるメニューであると案内されるが、さらっと家でちゃんぽんの延長線上に位置するように調理をはじめてくれる。
鉄路874のちゃんぽん
具材はキャベツ、モヤシ、タマネギ、ニンジン、チクワ、てんぷら(長崎弁で揚げカンボコ)、豚肉、かまぼこ(赤、ハンペンではない)、黒キクラゲなどである。麺は丸中麺の、やや唐灰汁の効いたちゃんぽん麺である。スープは鶏ガラをベースにしたのであろう、ここに牛乳を混ぜたものである。
焼きよりも煮の方が強いちゃんぽんであり、動物性具材を炒め、野菜を炒め、味を整え、スープを入れ、最後に麺を煮込むという、スタンダードの作り方である。家庭でお母さんが作ってくれるようなタイプのちゃんぽんであり、長崎県内でもよく見られるようなタイプである。牛乳を入れるというのは、ある世代以降で定着している、コクのあるスープの作り方の一種で、メディアなどの影響も大きそうである。チクワやテンプラは入っていた方が、家庭の味となり、長崎県らしいコクがにじむのである。
また、ここの店では、柚子胡椒をトッピングにすることが流行しており、北松エリア(旧北松浦郡、佐々や江迎、鹿町など、炭鉱のあったエリア)で作られたものを入れて、味を楽しむらしい。
鉄路874の店情報
- 住所: 佐世保市鹿町町新深江
- 電話番号: 09059207484
- 営業時間: 11:00 - 15:00
- 定休日: 日曜日