#dynamic_Nagasaki

長崎県をDynamic Nagasakiとして見つめ直します。現在おっさんがちゃんぽん食べ歩いています。乗り物、旅行、自転車、ジョギングも!

さよなら ありがとう 『特急かもめ』(上)有明海の景色と長崎の田園 2022年9月22日までのラストラン 【ながさきの乗り物】

西九州新幹線の開業を前に カメラ小僧のシーズンふたたび

2022年9月23日より、長崎と武雄温泉をむすぶ西九州新幹線が開業する。「長崎県民の悲願」と言われたのは過去の話で、佐世保を通過しないことが決定して、県北の熱は一気に冷め、昨今のモータリゼーションの遅れた波が西の果てまでその恩恵にあづかれる人々を増やして、県南でも新幹線への期待はゼロに近いことになっている。欲しがっているのは、特急運行が面倒くさくなっているJR九州と、建設業とべったりの議員の方々、何かやっている感を出しておきたい行政の方々、観光の起爆剤になると思っている産業界の人々くらいで、長崎のというと主語が大きくなりすぎ、一般市民には縁遠い交通機関がやってくる。

新幹線部分の工事期間の長崎駅

今回、上篇として、特急かもめ からの車窓を、思い出となる景色から紹介する。

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干潟を縫って駆け抜ける「特急かもめ」からの車窓(肥前鹿島ー諫早)

長崎本線の肥前山口-諫早間においては、有明海に沿って、海岸線を縫うように走る。潮が引くと、干潟の一部が見え、小さな漁港においては、船は露わになった海底に着底するのが見える。また冬の朝というと、どこか靄がかかったようで、そこにぼんやりとかすみを纏って、気怠そうに登ってくる太陽の様などが、またよかったのである。

新日本紀行においても、この干潟の海を舞台にしたドキュメンタリーが見られ、ムツゴロウ採りの様子などが映像で残されており、現在でもみられる干潟の沿岸の集落のかつての様子が偲ばれて、ここに鉄道、そして、特急がやってくる意義のようなものがみえる。

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空から見た有明海、佐賀市近傍のようす 沿岸部にみえる茶色い部分が干潟となる

島原半島から見た冬の干潟 対岸に多良の山々が見える

遠くに雲仙の山々を見、長崎本線らしい景色が広がっている

夏の夕方の長崎本線 波の少ない内海でもあり、空の風景が映り込む

干潟を眺めてすすむ「特急かもめ」 長崎と佐賀の県境えりあ、多良町

干潟の向こうに自動車用の橋梁がみられ、津々浦々で異なる景色がある

特急かもめから見る有明海

長崎の田園をゆく「特急かもめ」の車窓(諫早ー長崎)

諫早が近づいてくると、長崎の田園が広がり始める。小長井・長里といったあたりからである。干拓地が広がる諫早では、国家事業の諫早湾干拓事業を始め、江戸時代からの干拓の歴史がひろがっているのである。
さらに、諫早を過ぎる頃には、長崎市の街中へと向かっていくのである。山々に囲まれ、江戸時代に、外国人を隔離するために開かれた街、長崎の旧市街は、長崎街道と言っても、わざわざ急峻な峠を越えさせ、長崎の街から陸路では大軍が進めないようにと選ばれたと考えられる。現在でもその交通上の欠点を引きずっており、長崎県全体の発展のためには早いうちに土地を棄てればよかったほどの地理的不都合がある。そんなことにでも想いを馳せながら、車両の交換ばかりが続く、過密の長崎本線の諫早-長崎間を進んでいく。

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この辺りは、線形が悪く、シンカンセンという魔法の言葉も手伝って、線路の整備状況も都市圏交通であるにもかかわらず、燦々たる有様である。

田んぼに沿って、最後の一山を超える特急かもめ

狭い田んぼが続く諫早と長崎の市境

瞬間的にぱっと見える田んぼの様などは、特急ならではである

#サヨナラかもめ で失われるもの

Twitterでは #サヨナラかもめ として、失われゆく特急かもめの様子を記録している。車両を撮るもの、景色を撮るものとして、さまざまに皆がカメラを向けているが、新幹線開通というと多岐にわたる失われるものがある。最後にその辺りをまとめておきたい。

  1. 武雄温泉駅で乗り換えが必要になり利便性
  2. 在来線非電化化した県庁所在地(九州初!)
  3. 公共交通機関としての在来線の地位

この辺りを、次の車両の記事の冒頭でふりかえってみたい。

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