旭町の工業地帯入り口の中華料理店 黄雲亭
浦上川のちょうど河口付近に位置する旭町は、かつて長崎港内を行き交っていた長崎市営の渡し船の発着場であった。名前の通り、南北の谷間から湾へと続く長崎のまちにおいて、最初に東の朝日が当たるあたりの町である。現在では運行は終了しているが、バス停の名前として旭町桟橋前という名前だけがその名残をとどめている。この長崎港内交通船と呼ばれた渡し船は、昭和44年までで運行を終了している。以下の記事でこの稲佐エリアのことを少々記しているため、参考にして欲しい。
1963年創業の中華料理店であるという。来年で創業60年というのだから、長崎でも老舗中の老舗である。元々は出島あたりにいたというから、どこか中華街の店舗で修行をされていたのかもしれない。
黄雲亭の位置する通りは、長崎港内交通船の時代の雰囲気がまだ残っているようにもみえる。裏側には江の浦川公園と名前が残る名前もない川が流れており、その小さな川を望む席が奥にふた席おかれている。通りには古くからの小さな食堂や雑貨屋、酒屋などが立ち並んでおり、この黄雲亭でも出前を行っているという。この川より向こうは長崎らしいエリアといえばそう言える三菱のエリアであり、三菱電機や三菱重工の工場群が立ち並ぶエリアとなる。店内にはやはり三菱重工長崎造船所で進水した豪華客船の写真なども飾られており、三菱の門前町であり、かつては長崎の旧市街地とを結ぶ結節点であった町でもある。
雷文様が散りばめられ、中華風のテキスタイルのタイルが嵌め込まれた内装に白い天板のテーブルが並んでいる店である。雑然としているようではあるが、手が空いていれば、のんびりと接客するおじさんがいて、この辺りの独特の雰囲気もみられる。
定食は一択、唐揚げ定食のみで、焼き飯がご飯がわりであるというのも、興味深い取り合わせである。
ここでまた出てきたのが肉天ぷらである。状元楼でも見たようなメニューであるが、これが何であるのか、まだ食べたことはない。なお、ギョーザも名物のようであった。
中華料理 黄雲亭のちゃんぽん
具材はキャベツ、タマネギ、モヤシ、豚肉、ハンペン、チクワ、ゲソ、黒キクラゲなどである。麺は唐灰汁の効いた中平麺のちゃんぽん麺である。スープは鶏ガラベースであろう。
焼きよりも煮の強いちゃんぽんである。夏だからであろうか、しっかりとした塩味の入れられたスープであるが、あっさりとした仕上がりとなっており、具材の要素も染み出している。葉の青いところが清涼感を強く感じさせ、彩としてもまた良い。麺は、この手の出前をやるような店にしてはやや煮が強いようにも思えるが、実際の出前の時にはまた調理時間を変えたりとあるのかもしれない。
器は青磁の器で、口が開いているタイプである。ちゃんぽん碗ほど平くはなく、出前のための店名が記載されている。
中華料理 黄雲亭の店情報
- 住所:長崎市旭町27−20
- 電話番号:0958613111
- 営業時間:11:00 - 20:00
- 定休日:不定休
- 出前:あり