四川料理なのか、ただの街中華なのか
ネットに転がっている情報によると、「中華一筋55年、創業40年以上」の店舗であるという。長崎大学から道路を渡って、やや山側へ登ったところに位置するのが、中華四川料理 伯水楼である。この近辺は文教地区であり、長崎大学、純心大学などの大学も位置しているため、長崎大学の学生などは好んで通っているのであろう、そのまま、当地で就職したものの間では、懐かしの学生の味としての地位を確立するのだろう、東角や有華飯店にならぶ、長崎の学生の味なのである。
さて、小見出しの疑問である。四川料理の店では、わざわざ中華四川料理とは標榜しないであろう。そこでメニューを見返してみる。四川料理らしいのは、辣子鶏丁(宮保鶏丁とは異なる)、麻婆豆腐、坦々麺(伯水楼特製ラーメンと記載)あたりまでで、よだれどりもみられない。四川料理は日本国内でも福建料理、広東料理、台湾料理からまた遅れてのブームになっていたためであり、中華四川料理としないと日本人に馴染みがなかったのではないだろうか。
中華四川料理 伯水楼のちゃんぽん
具材は白菜、モヤシ、ネギ、ニラ、ハンペン(紅白)、黒キクラゲ、タマネギ、豚肉などである。麺は唐灰汁の効いた丸中平麺のちゃんぽん麺である。スープは鶏ガラベースであろう。
焼きより煮が強いちゃんぽんであり、麺はひどく伸び切ってしまうほどのちゃんぽんである。昼時で4杯程度を一緒に作っているため、しっかりと煮込まれている点は、ある意味で、長崎市内でも珍しい仕上がりである。白菜の爽やかな風味と香味野菜のアクセントのバランスは興味深く、他の福建系や食堂系のちゃんぽんともまた違った世界観でのちゃんぽんであろう。
テレビなどの全国放送で取り上げられる弊害
長崎市内は観光需要の高まりで大変な人の出となっており、日常の通勤・通学に弊害が出るほどでもある。以前に戻ってきたという観光産業関係者の言葉は大抵偽りで、頭数が戻ってきても、その属性や金額などはまだまだ停滞しているのが肌感覚としての現状のようで、今後の統計内容での精査が必要になるであろう。
また、タレントが店を訪れて、全国ネットに流すということも、同様に急激な需給バランスを狂わせる自体になる。観光都市、DJN(Dynamic suburb of Jakarta, Nagasaki, つまりジャカルタ郊外都市 長崎)においても、多過ぎず、少なすぎずの需給バランスの中で細々と商売をやっているのが、ちゃんぽん食堂や喫茶店、街の小さな中華料理店である。店に地元の人がやってきて、出前をとってという、生態系の中で経営をまわしているのである。ここにメディアでの取り上げられかたによっては、急激な需要の高まりで、店の席数が不足し、人員も不足し、材料も不足し、提供までの時間が伸びて、地元の常連客、固定客が離れていってしまうことまで起こりうるのである。一時的なブームは人気店として定着する前に終わってしまうため、誰も戻らなかったということになり得るのだ。
タレントの名前を出しながら、●●がきた所でしょと安易に訪問すると、思案橋ラーメンの店主(別記事、ちゃんぽんを巡る都市伝説を参照)のおっしゃるような事態になるのである。当ブログを見て観光で訪れる際には、ピークタイムから少し前後させて、訪問するようにしていただきたい。
中華四川料理 伯水楼 店情報
- 住所:長崎市扇町11−11
- 電話番号:0958459624
- 営業時間:11:30 - 14:30 17:00 - 20:45
- 定休日:水曜日