福山雅治氏をめぐる様々な神話
長崎市の有名なひとといえば、福山雅治という人がいるらしい。いるらしいというのは、筆者は特には興味がなく、興味があるのはその流布している風説の方である。一緒にバンドメンバーであったというものや合同でライブを企画したというもの、バンドを観に行ったというものがちらほらと筆者の知り合いには幾人かいる。大抵50代前半で今は寿司屋や日本料理屋、魚屋などをやっていたりしているのであるが、彼らが高校生であった時分にバンドを組んだものやライブを聴きに行ったもの、他バンドのメンバーとしてライブを計画したものなどである。「やっぱり顔よねー」というものも居るくらいである。どこかでともにカラーオーケストラなるものに行くが、やはり、歌がうまいものもいたりと当時の様子がしのばれ、興味深く拝聴するのである。
ライブハウスは、今から35年ほど前のバンドブーム全盛期といえば、あちこちにあり、練習場として利用していたという話であるが、聖地として有名な原楽器ではあまり見かけなかったというのが同世代のバンド仲間の話である。中学校の仲間でもまだ強い結びつきがあった上で、市内各所の高校へ散っていく、長崎のコアなまちっこたちは小学校からの学歴も人となりを表すものらしい。
福山氏が通った長崎県立長崎工業高等学校は岩屋町、市の北部にあり、浜口町や住吉町にあったというバンドハウスがその活動の拠点であった様である。そこから(長崎中央地区、旧市街から見て)「対岸」と呼ばれる稲佐方面からすると、思案橋ラーメンや原楽器店のあるエリアは全く逆方向となり、生活圏から考えても、高校生にはあまりにも遠い。原楽器店でのライブの話はちらほらと聞く程度に残されており、練習というよりライブで利用していた様である。浜口のホンダ楽器店、ベスト電器あたりの会場を利用していたという。
湾内を行き来していた港内交通船の映像が残っている(新日本紀行 長崎)
これらの二つの店舗に、昔から/デビュー前から通っていたという話はどうも都市伝説な様で、今はなき浜口地区のバンドハウスや小さなちゃんぽん屋が彼の青春の舞台だったのであろう。長崎のオモテの観光大使としては、裏寂しい浦上エリアのバンドハウスやちゃんぽん屋、昭和の喫茶店などよりも、街中のシティボーイ感と長崎市内のエキゾチックなエリアを出した方が、イメージが良いのは確かである。何しろ稲佐地区へは彼が生まれた年までは、市営の港内交通船でも行き来していたのである。稲佐といえば、揚子江という中華食堂があったらしく、皿うどんではあるが、一度その流れのものを頂いたのが美味であった。高校の同級生の店であった。あまり、実情にそぐわない店を紹介すると、地元の人からは遠く離れた存在になってしまうのだろう、長崎への愛情が試されている。
http://www.city.nagasaki.lg.jp/nagazine/ship/3/index.html
バクダン狂
さて、真偽の程もほどほどにして、思案橋ラーメンである。昭和35年創業の60年にわたる老舗格の店で、知らない人はいない。バクダンちゃんぽんなる、ニンニクたっぷりの長崎市内でも異色のちゃんぽんである。ラーメンと名前がついているが、ラーメンは食べたらいかんよという長崎が長い人もいる。茶色く膜が張った怪しいおでんも名物と言い、音に聞く様はやはり近寄り難いものがある。怪しげな熱気が漂う観光スポットと化した、また一部コアなバクダンマニアもいる店舗である。やっぱりバクダンちゃんぽんでしょうとおっしゃる方もいる。それがかぶりになったのが以下である。
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思案橋ラーメンのちゃんぽん
具材はキャベツ、もやし、タマネギ、小牡蠣、ゲソ、紅白のハンペン、黒木耳である。あらかじめ、取り分けていないらしく、具材の比率にばらつきがあるのである。麺は唐灰汁の軽く効いたちゃんぽん麺である。スープはこれまた、甘い、鶏ガラベースなのであるが、初めはシャバっとした薄さがあるのだが、後から砂糖の甘さがググっとこみ上げてくる。焼きより煮が強いちゃんぽんである。麺がやや柔らかくなるまで煮られている。やはり、このエリアの古くからある店らしく、締まりがないというあたりが共通項でありそうだ。
器は中華風の紋様のはいった、口の開いた平たいちゃんぽん碗である。
色はついているが、味はついていない?思案橋ラーメンのおでん
異臭がするおでんである。真っ黒なスープを見て買うのではなく、きちんとメニューを見てから頼まなければならない。店のひとに何が欲しいのかを伝えてとってもらうほうがよい。この店舗が所属している(いた)日本バーテンダー協会の会員が寄った際に、適当に取ってみたら、色はついているものの、味がついていないものがあったというほどである。
店情報
- 住所: 長崎県長崎市浜町6−17
- 電話番号: 0958231344
- 営業時間: 11:30 - 3:00(+1)
- 支払い: 現金
ばくだん弁当を注文する際には予め電話してから行くと良い。