リンガーハットは長崎ちゃんぽんでのおすすめか?
長崎市内でちゃんぽんの好み(おすすめ)を聞くと、リンガーハットを第一にあげる人がいる。昔の安くでおいしいリンガーハットのちゃんぽんへの哀愁からなのか、それ以外の自分の好みのちゃんぽんをまだ見出せていないのかのどちらかである。「じげもん(長崎弁で地元の人)でなくよそ者だから、リンガーハットで良いやん」と思っている節があるものもいる。
※ちゃんぽんのおすすめ・好みを聞く愚はこちら
リンガーハットを番外編としたのは、いくつか理由がある。1. 全国企業になり、長崎らしさはカケラもないこと、2. そもそも作り方がちゃんぽんの料理法でないこと、3. 麺が唐灰汁麺でないことを理由にしておく。1を本項で考え、2、3を次項で考える。
創業は1962年で、元々は浜かつという思案橋にあったトンカツ屋を源としている。今でも鍛冶屋町の浜勝は本店と称され、創業当時の写真が残されている。リンガーハットの創業は1974年、「長崎のちゃんぽん」として、日本中にちゃんぽんを知らしめ、一部上場企業ともなった。初期には「長崎ちゃんぽん」について、本家本元の長崎新地中華街(ちゃんぽんストリート)が難癖をつけたのか、「長崎ちゃんめん」として売り出し始めたと言われている(山口にも、同じ様な店舗デザインの長崎ちゃんめんというチェーンが存在する)。リンガーハットにより、浜かつはグループ子会社とされ、子が親を傘下としている。創業時と味が変わってしまい、世界市場へ進出している。創業当初はちゃんぽん屋ですらなく、ちゃんめんという謎のカテゴリーだったのである。
リンガーハットマニアやリンガーハットファンがこの世界にいるのかは不明であるが、鍛冶屋町周辺エリアには、濱かつ本店、リンガーハット、長崎卓袱浜勝(登記上本店)の集積がみられ、企業の本拠町の雰囲気を漂わせている。
リンガーハットのちゃんぽん
意欲的な企画モノちゃんぽんには、興味をそそられることもあるが、どうもこの地にいるうちには不要なリンガーハットのちゃんぽんである。煮込みが足りないから、あさりのちゃんぽん と言っても、少し物足りないのである。
リンガーハットの調理法
リンガーハットのちゃんぽん調理方法はセントラルキッチンにより、佐賀県の工場から運ばれてくる。ドラム式の回転調理器具により炒められ、鍋で煮られ、アルバイトの大学生でもできるようになっている。ちゃんぽんの焼きの工程はなく、少々物足りないだろう。鍋で麺が煮込まれる工程時間も十分ではなさそうである。鍋を振る作業はなくなり、経済成長期に使われていたという生の海鮮具材なども使用されなくなったため、「昔のリンガーのちゃんぽんはよかった」という声も長崎市内ではちらほら聞かれる。
リンガーハットの麺
麺はかんすい入りの麺であるが、スパゲッティ様の麺である。かんすいの量が少ないためか、長崎市内のちゃんぽんで使用される通常の唐灰汁入りの麺に比べて、麺が伸びやすい、麺の歯応え喉越しの食感は少ない、スープのトロミが出ないなどが異なる。本来の唐灰汁入りの麺は煮込んでも伸びにくく、独特の硬さ・歯触りと香り、灰色の色合いがある。リンガーハットでのちゃんぽん麺は冷凍してあるものを解凍して使用しているという。これでは煮込むことはできず、学食のパスタかうどん、ラーメンレベルであろう。
参考
店情報
リンガーハットマニアな皆さんに上記の店の位置を。。。
極短時間で「リンガーハットのちゃんぽん」を提供するための技術であり、注文が4人前集まるまでちゃんぽんを作らないとしたちゃんぽん食堂の愛情と対極にある。野菜ブームに乗って、長崎ちゃんぽんと売り出しているリンガーハットであるが、これは長崎の名前を冠しているが、長崎のちゃんぽんではない。。。
リンガーハット 長崎かじや町店
- 住所:長崎市鍛冶屋町6−1
- 営業時間:11:00ー00:00
- 電話番号:0958163311