中華料理 永楽苑 都市名メニュー
都市名をメニューに冠するというのはドイツあたりでみられそうなことで、「おらが街のソーセージはかうだー」 とNurembergナンタラWurstとか、町から町に少しずつ違った名物ソーセージが並んでいる。当の本人たちはあまり気にしないのか、特にどこのが良いなどとは興味がないのかもしれない。
これがオーストリーあたりにいくと、日本的危うさを帯びだしてくる。都市名、国名がついた料理が増えてくるのである。何風、どこ風がメニューに記載され、”暗黙の了解”の「フランス 風」や「ウィーンスタイル」(ウィーンスタイルが案外多い)がちらほら出てくるため、何であったか一々確認を要することがある。東欧の文化のハブであり汎ヨーロッパな王家の都であったため、様々な民族料理にフレンチやイタリアンの技法が流れ込んで完成したウィーン独特の料理にはわざわざWienerとつけてくれる。
さて、日本に話を戻すと、広東麺、天津麺、上海やきそば、、、と都市名がつく料理は多く、大抵の人はこれを聞くとどの様な料理なのかが大方予想がつくのはオーストリーの暗黙の了解に似ている。どこからこれらの名前が来たのか、今となっては不明であるが、日本人が考える、中華風料理の形態なのであろう。
- 広東麺 ≒ 五目餡掛け中華麺
- 天津麺 ≒ 卵綴じ載せ中華麺
- 上海やきそば ≒ あんかけ焼きそば(麺は焼く)
さて、「下駄つっかけて上海に、羽織りを羽織って東京に」などと嘯いていた長崎の人はさぞかし、本場の中華料理を知っているのかと思っていたら、日本的中華風料理がやはり見つかったのである。元県庁下、永楽苑である。
中華料理 永楽苑の都市名メニュー、広東麺 上海やきそば 天津麺
裏の名物しいたけ肉そばはそのうちご紹介するとして。。。今回はこれらを。あまり頼む人がいる様には見えないが、ちらほらと注文している声は聞かれる。
広東麺
野菜のたっぷりとはいった餡掛けと縮れ麺からなる。葉物野菜が多く入り、餡掛けとよく絡む様が、しいたけ肉そばとの違いだろう。透明な褐色のスープはあっさりとしていて、街の中華料理屋らしい仕上がりである。いろいろな具材の出汁への染み出すさま、これはおすすめである。端正な昔ながらの味である。
上海やきそば
油をたっぷり使用したカタ焼きそばである。縮れ麺を焼いていくため、麺の歯触りがなかなか良い。野菜や肉、木耳などの具材の歯触りの取り合わせも良く、よくなじむ様に細長く切ってあり、麺と一緒にいただいていける。ソースではなく、お酢が添えられ、これでいただくと油のあたりが変わり、また美味である。
天津麺
ふっくら仕上がった卵とじにスープがしみてくるのがなんとも嬉しい。ここの天津麺は餡掛けスタイルではなく、ただ卵綴じが載っているだけである。麺は縮れ麺であった。長崎らしい蛍光ピンクと蛍光グリーンのはんぺんやネギを刻んで閉じてあり、ネギの香りがふんわり上がってくるのも良いのである。
永楽苑のしいたけ肉そばは人気である。
店情報
- 住所: 長崎県長崎市江戸町1−8
- 電話番号: 095-821-0154
- 現金のみ
- 営業時間:11:30-13:30(LO) 17:30-21:00