佐世保駅の旧駅前地下街
佐世保駅前は、この30年で大きく変化した。JR佐世保駅が高架化したことに伴い、駅舎内の様子も変化し、駅前に地下街があったものも、地上に移設されるなど、以前の面影で残るものはホテルの入っているバスセンター程度であろう。駅前地下街の店舗が少しく移転し、その名残の味を留めているのが駅高架の南側のろくてん通りである。
旧駅前地下街では、お富さんというラーメン店(駅西口に移転後、閉店)、たて石うどん、長崎ちゃんぽん 大善、長崎ちゃんぽん 香蘭、散髪店、小さな土産物店が並んでいたのを覚えている。70mもあったという地下街では、当初27店舗もの店が並んでおり、駅舎内にも、本屋やコンビニ、パン屋などが並んでいたから、今の賑わいとまた異なる、旅をするため店舗が並んでの賑わいのようなものがあった。東京行きのさくらは佐世保の人にとっても輝かしいものがあり、鉄路一本で東京に行ける誇らしさのようなものがあり、また東京駅で佐世保行きさくらを見つけると郷愁の念が湧いてくるなど、地方との紐帯のようなものがまだ残っていた時代のものだった。
ろくてん通りの大善
同僚と話題だった香蘭は店主胃潰瘍のためお休みということで、向かいの大善へ向かう。なかなか人が多く、ご夫婦とお母さんなのだろう、3人で店を切り盛りしているようである。店内にはカウンターが通路を挟んで二本渡されており、それぞれで少しずつ席を空けながら座っている。2箇所に調理台があり、3つの鍋をそれぞれ置き、サービスしている。
大善のちゃんぽん
具材はもやし、キャベツ、黒木耳、ニンジン、エビ、ハンペン、などが入っている。調理する様を眺めていると、具材を合わせてある程度炒めたのち、スープを投入し、煮込んだのち、茹でた麺を合わせて、提供している。これはちゃんぽんと称しているが、元々のちゃんぽんは麺も一緒に煮込むことが必要条件であるため、これをちゃんぽんと呼ぶかどうかは議論が必要であろう。日本全国のちゃんぽんと称しているものは大抵こんなものであるから、ちゃんぽんとして紹介する。
牡蠣のシーズンであるからか、季節のトッピングとして、九十九島の牡蠣を使っている。これをスープにやや煮込んで、火が通り過ぎない程度にしてある。
唐子模様の口の開いた平たいちゃんぽん碗で提供されいている。
大善の店情報
- 住所: 佐世保市三浦町21−28
- 電話番号: 0956258210
- 営業時間: 10:30 - 19:30
- 定休日: 日曜日