「昔は良かったんだけどね」江山楼
数々のちゃんぽん 御殿の中でも、ちゃんぽんストリートで一際目を引くのはここ江山楼のちゃんぽん屋だろう。創業1946年、福建系と上海系の先代が創業した店で、恐らくちゃんぽんストリートの中でも、有数のグループを形成したちゃんぽん屋であろう。高度経済成長と長崎市の観光需要の高まりから拡大を続けたが、現在事業整理なのかやや縮小傾向にある。
長崎市への訪問者もびっくりな鯉泳ぐ池を有する江山楼の本店とその斜向かいの新館とを有し、浦上の川っぷちに浦上店、かつては長崎駅の地下食堂や諫早店もあったというから手広くちゃんぽんチェーンを展開していた。そして、Covid-19下で浦上店も閉業中である(8月20日現在)。その後、2022年12月30日をもって、本館の営業を閉め、新館のみでの営業としている。
長崎の者、誰に聞いても、見出しの如く、「昔は良かったんだけどね」と言われる江山楼はどうも店舗展開の勢いだけではなく、味の方もらしい。1988年に時津にオープンしたセントラルキッチンでの管理方式をしており、多店舗でのクオリティ維持に勤めているリンガーハット方式である。このような事業体となると、一杯のちゃんぽんではなく、同じ釜のメシの修学旅行的広がりを見せる。これにもよるのであろう、どこかの段階から味が変わったと評されるようになり、提供杯数もおおいことから、食品上の事故もあちこちで聞くようになっている。
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そして、Covid-19下で、観光客の流入も低下し、長崎ちゃんぽんストリート(長崎中華街)でのメインの顧客である修学旅行もなくなり、収益が怪しくなってきたのか、メニューを絞っての提供となっている。また、ちゃんぽんの持ち帰りセットなるものも出てきており、それを店頭の食品見本として置いている。他店で見られた持ち帰り用のPOPもなく、「当店では安全のため、持ち帰り対応しておりません」と記載がある。
※2021年4月追記
持ち帰り用のパック並びに、店舗で提供されているちゃんぽんなどを製造している工場は時津町に位置している。Covid-19下で、製造は落ち込んでいるのか、人の出入りはあまり多くない。紅であっただろう、下地の色は日光で退色しており、工業団地内のやや寂しい一角である。
〒851-2108 長崎県西彼杵郡時津町日並郷3778
江山楼の上ちゃんぽん ー値段は他店でのそぼろちゃんぽんレベルー
元々あるはずの、並のちゃんぽんは消え失せているところも、どこか金策を追い求めているようである。上ちゃんぽん(他店でのそぼろちゃんぽん)レベルのものをちゃんぽんとしており、客単価をあげることを考えているのだろう。そもそも、並ちゃんぽんを切り捨てたこと自体が、地元軽視であり、持続可能な営業体制ではないようである。
さて、ちゃんぽんである。具材は、薄いピンクのはんぺんにキャベツ、もやし、あさりやイカに加えて、そぼろの象徴的な肉団子謎を入れている。通常の唐灰汁入りのちゃんぽん麺が使用されている。スープは牛乳様のとろみのあるスープである。麺はやや柔らかくなるまで煮てある。と言ってもこれはセントラルキッチンでそこそこのところまで仕上げてあるから、ここまでの仕上がりなのである。あなたのために作るのでない、工業的・商業的仕上がりである。
店情報
あまりやる気はないようで、現状入店が19:30までとなっている。また提供メニューは10品目程度とかなり絞られており、市内の他のちゃんぽん食堂の方が提供メニュー数が多い現状がある。2022年12月30日をもって、江山楼本店を閉館とし、その後の営業は新館のみでおこなっている。
江山楼本店(2022年12月30日をもって閉館)
- 長崎市新地町12−2
- 電話番号:0958213735
江山楼新館
- 長崎市新地町13−13
- 電話番号:0958203735
中華街店の営業時間・営業日
- 営業時間: 11:30 - 20:30(入店19:30まで)
- 営業日については下記を参照されたし。
新館は水曜休館、本館は月曜から木曜を休館としている。
江山楼浦上店 現在休業中 閉店済(2021年4月更新)