長崎でちゃんぽんを巡る その27の附としていた記事だが、なかなかひとところに止まらない雰囲気となりつつあり、連載の項をかえることとした。
長崎市の店の暖簾分け、チェーン形成事情
長崎市内を歩いていると、同じ店名の店がいくつか見られたり、似通った店名があるのに気付くだろう。以下にあげる店を長崎市民にすすめられた場合には、案外、その店のどこの支店・姉妹店が好きなのかという事も重要である。これは、店によって味が全く違う事もあり、この点には注意を要する。長崎市民も案外その違いを知らないまま過ごしていることが多く、今回は町中華のチェーン・姉妹店事情を過去の記事とともに振り返っていく。
三八ラーメン
三八ラーメンは長崎市民にとっての一つの家庭の味の様なものである。それぞれの店舗で贔屓のお客さんやその使い道がある様である。本店、銅座店、浜町店、住吉店が同じ会社組織内に収まっており、そのほか、暖簾分けだろうか、大浦にも同名の店舗がある。これは支店ともともと位置付けられていたのだが、今ではその文字は消去され、内装は三八の昔からの雰囲気とも異なり、資本的にもだろう、独立した店舗である。
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よこはま
よこはまで知られている店は現在4店舗が確認されている。思案橋のよこはま、中通りのよこはま、崇福寺横のニューよこはまに、宝町の横浜である。後者2つのよこはまは暖簾分けという。もともと初代の実家は寿司屋であったといい、長崎市内でもはじめての寿司屋三店に入るほどの珍しい経歴であった。もともとあちこちを転々としていた先代が長崎市内で寿司屋をはじめ、その後、ちゃんぽん屋のチェーンとなったという。
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共楽園
創業70年になる共楽園 古川町店(眼鏡橋)とその姉妹店 共楽園 光町(稲佐地区)の2店舗からなる。同じ源に発しており、具材はよく似通っているのだが、スープの味などは異なるのである。
メニュー構成であるが、古川町店では、ちゃんぽん皿うどん屋にシフトしており、大掛かりにメニューを削減した跡が見られる。光町店では通常の町中華のメニューがあるのも興味深い。
長崎らしい出前は、どちらの店舗でも行っている。メニューが多くある古川町店では、昼間の人手があまりにも足りないのか、ゆっくりと時間を作ってから伺う方が良い。
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dynamic-nagasaki.hatenablog.com 獅子林
滑石エリアと時津エリアにそれぞれ同じ名前の店舗があり、時津のものが暖簾分けであるらしい。町のちゃんぽん食堂らしい仕上がりであり、楽しめるだろう。
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大八
駅前の残り少なくなったちゃんぽん食堂の一つである。その系列店として、未訪問であるが、大八もまた、浦上地区に支店を有している。 同名の店舗が新戸町にも存在しているが、その関係性に関しては現状では不明である。
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慶華園と翠獅庭
四海楼で修行したという先代の設立した慶華園とその弟分の楊家菜房 翠獅庭が兄弟店である。味の方はともかく、 兄弟の間で、共通する世界観でもあるのだろう、ゴテゴテした安っぽい大陸的な内装がどちらでも共通した項目でもある。
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終わりに
江山楼ときりんグループとで、兄弟関係であるなど、さまざまな兄弟・親子・師弟の濃い関係で成り立つのが長崎市の飲食店事情である。宝雲亭と雲龍亭の関係性の様に、和食の師弟関係の繋がりもあり、どこもそのような繋がりが見られる。経済が右肩上がりであった頃にはこのように師弟・チェーンで同一市内に店舗を展開することで経営が成り立ったのだろう。中華街の家族における経営形態とまた異なる形態であることが多い。
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