移転後の長崎漁港
かつて、長崎の魚市は長崎駅裏、現在の県庁と県警本部の位置にあった。それより以前となると、町名の通り、魚の町、万屋町と、中島川沿いを河口方面に移転し、その後、長崎駅に隣接する尾上町に移転して昭和の長い間も市民に親しまれてきた。全国でも有数の水揚げを誇り、長崎駅に隣接し、セリが終わった海産物は冷凍貨車に乗せられて、大阪や東京方面へと出荷されていた。長崎港の旧魚市岸壁は浦上川の河口付近であり、船の接岸には手狭になり、五島灘に面した新漁港への移転が進められた。1989年、運送手段がトラックに変わり、手狭になったという魚市、漁港は三重方面、五島灘に面した長崎市郊外へと移転していった。黄金期と言われた、昭和中期から見ると、漁獲の水揚げ量は6割程度まで落ち込んでおり、漁港にもかつての活気はなくなりつつある。
長崎魚市が長崎市内の中心部にあった頃は、長崎の黄金期だったと懐かしむ人も多い。夜の街は船を着けた漁師や仲買の人たちも繰り出し、朝早くから開いている食堂で新鮮な魚介を楽しみ、市内各所に設けられた小さな市場の店頭には新鮮な魚介が並んでいたという。移転に伴い、各所の市場は、スーパーなどの進出も相まって、縮小・閉鎖となり、長崎市内からは旬の魚の並びはニュースのみで報じられる程度となり、四季の移ろいが希薄化して来ている。
遠く離れてしまった長崎の象徴的存在だった魚市食堂であるが、早朝からバスに乗って訪れてもいいかもしれない。
「インターネットでおなじみ」の長崎水産食堂
これぞ長崎でも謎多きキャッチコピーだろう。創業は昭和22年、大波止あたりにもともとあった食堂が、長崎魚市の移転に伴って、三重まで移転してきたという。
長崎水産食堂の刺身定食
地元のおばちゃんたちが、手際良く盛り付け、サービスしている。刺身は新鮮であるが、魚屋での締め方とも異なるため、長崎県民からするとやや物足りないかもしれない。タイのあら汁にはたっぷりとタイの出汁が出ており、ほっとする味である。
長崎市民にとっては、甘鯛は馴染みのある魚らしい。県北ではあまり見かけないようにも思う。かつては庶民の魚であったといい、唐揚げや煮付けなどにして食べており、これに醤油マヨネーズなどというのはやはり庶民らしい取り合わせである。現在では高級魚で、野母崎方面の顎のシャクレたものは骨まで美味しいのであるが、これはエビカニの類を食べているものであるらしく、身も骨も甘い甲殻類の香りと味がする。
案外美味だったのは、サバである。ぷっくらと脂がのっており、甘すぎず、綺麗に炊き上げられていた。
酔狂なおっさんは同じ日に二回も食堂に出入りするのである。
ぐっもーにん。。。#dynamic_Nagasaki pic.twitter.com/qg7gzbgtJx
— DRK (@limken21) July 12, 2021
ぐっもーにん、その2。。。。。。
— DRK (@limken21) July 13, 2021
DJN版フィッシュんチップス。
ではこうなる。
アマダイの唐揚げに御飯と御味噌汁つけて。ふっくらした身とバリバリしたヒレをDJN特製の金蝶ソースマヨにディップして。#dynamic_Nagasaki https://t.co/VyKsEawptv pic.twitter.com/kYX6xBbHzd
店情報
かつては食堂が二軒ほど、喫茶店まであり、漁協関係者の休憩と打ち上げスペースだったというが、現在では、その見る影もない。
- 住所: 長崎市京泊3−3−1
- 電話番号: 095-850-3751
- 営業時間:6:00 - 14:00
- 定休日:魚市休業日