五島・福江島と壱岐が良いだろう
サイクリングにおいては、まだまだ初心者の域を出ない筆者である。おかしな経験値だけは高いのである。輪行するのにスペインのヘレスで酒蔵巡りをしたり、壱岐対馬、福江や佐賀平野へ宿泊で輪行したりと、大して速くは長くは走れない分、まあ、のんびりとしているのである。
五島・福江島を走る
福江島への輪行 フェリーを利用
現状では五島行きジェットフォイルに自転車を載せられない点が壱岐対馬と異なり、時間のロスが大きい点がなかなか辛いところである。九州商船という会社が福江島までの旅客輸送を担っており、五島産業汽船は主に貨物と車の輸送を行なっている。九州商船のフェリーのデッキに手すりに結えられ、この辺りも手慣れているのは、輪行で渡航するものが多いのであろう。輪行袋に入れさえすれば、簡単に船内に持ち込みができ、手すりに船特有のロープ捌きで固定してくれる。車での渡航の際には、各種制限(高さ・重量)についてのチェックをして欲しい。
九州商船ウェブサイト
五島汽船協業組合ウェブサイト 自転車の航走もやっている
福岡からのフェリーはこちら 野母商船
行政により整備されつつある五島 福江のサイクリング環境
五島市福江島(古い長崎の人間は今も福江市があると思っている)には年間を通して多くのサイクリング関係者が訪れる。合宿としてトライアスロンや自転車競技の団体が滞在することもあり、島内でも世界各国からの自転車愛好家たちの足跡が各種地図アプリに残っている。バラモンキングと呼ばれるトライアスロンの大会が開催されることもあり、福江島の人々は、スポーツ自転車に対する嫌悪感というか驚きというのか、そういうものは割合少ないように感じる。Covid-19下で、あまり見かけないようであるが、島内でも自転車に乗るものが多く、交通量が少ないところでも、案外目立つのである。五島全体でこのような取り組みは進んでおり、上五島においても、同様の施策は見られる。
島内では、レンタルサイクルによる観光が進められており、その専用マップなどが用意されている。主に福江の市街地からのツアーであるが、これが案外スポーツバイク初心者でも楽しめそうな、走行距離が20km前後のものが用意されているのである。軽いアップダウンも含まれるコースであり、到着時すぐやロングライド前のウォーミングアップなどで利用するのも良いだろう。コースについてはまた後述する。
https://www.gotokanko.jp/pdf/information/cyclingcourse.pdf
日本各地でのサイクリングの趣味としての人口も増加しており、しまなみ海道を始め、九州では阿蘇エリアなどが大きな注目を集めている。長崎県においても五島振興局のスタッフがレポートを出して以来、大村湾、上五島、下五島(福江島)でのサイクリングルートの選定が行われており、「GOTOばらもん」の愛称で長崎県内でも最長の本格的コースが策定されている。5年ほどの期間をかけて、環境整備が進められる予定であり、本稿でもこれに沿った施設などの利用を行ない、サイクリングを計画される際には、以下の図を参考にして欲しい。
https://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2020/11/1604882160.pdf
このルートから一本道を外れると、急な斜面を登る農道などが連続する区間などもあり、初心者から一気に中級以上になる場合もある。レンタルサイクルでの走行は水色の「ばらもん」ラインに沿って走行することが望ましい。
五島における交通事情
スペアパーツなどの準備は入念に
何かのトラブルがあった時のために、タクシーやバスの交通網についてはチェックを忘れないでほしい。余程、現地での友人が多い場合には良いのだが、人っこ一人通らない時間などもあるため、単独行の場合には、特に注意が必要である。また、島内にはスポーツ用の自転車を扱う自転車店はほとんどないため、スペアの必要なものや最低限の工具は持ち込みが必要と考えて欲しい。出発港となることが多い長崎市でも数カ所もないため、遠方からの五島訪問の際にはあらかじめ準備を怠らないでほしい。
サイクルロッジ タニグチ:大村と長崎で営業されており、県内の大会などでのメカニックも務められるほどである。
路面の状態はどこでも良好
路面の状態はほとんどが良好である。使用頻度や過積載の車両が少ないのだろう、道路にはひび割れや陥没、穴はほとんどない。路側帯の大きさはまちまちであり、取り除けない石が見られる程度である。側溝には蓋がされていない部分も多いため、夜間の走行には注意が必要である。
ライトは一日中点灯させてサイクリングを
五島の人たちは、かなりの速度で道路を走行している。長崎県内でもそうなのだが、あまり広くない片側一車線の道路を60 km/hrほどで飛ばしていくのである。大抵は反対車線に出て追い抜いてくれるため、こちらも安心して走行できるだろう。夕暮れ時だけでなく、木々の生い茂る森の中のルートなどを走る際には、薄暗く、カーブの連続する道となる。1日を通して、前後のライトを点灯させ、自分の位置を遠くから知らせるようにしてほしい。
長崎市とは大分異なる様相であるから、一応、長崎市内の様子も参考にされたい。
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島内における補給・宿泊
補給食などは本土から持ち込んだほうが良いだろう。マツモトキヨシ、ドラッグモリなどのドラッグストアやエレナというスーパーマーケットもあり、必要なものは大抵手に入ると考えて良い。なお、パンなどは本土からの輸送によることが多く、時化の際には店頭に並ばないこともあるため注意が必要である。
ツーリング中の補給についてであるが、基本的には自動販売機が事業所や集落などに一つはあり、大抵の県道沿いにて入手は可能である。コンビニエンスストアはローソン+ポプラブランドが島内に5店舗あり、福江市街地を中心に見られるが、そのほかでは、富江と岐宿にあるのみであり、玉之浦近辺では基本的にはスーパーなどの商店も乏しいため、富江や後述の遣唐使ふるさと館での補給を済ませておく必要がある。
宿泊先は基本的に福江市街のホテルが良いだろう。セレンディップホテルであれば、閑散期であれば、自転車を組み立てたまま、フロント前に置かせてもらえる。また空気入れなども置いてある。ここの支配人は五島内のことをよく知っているため、相談もしやすい。洗濯などは自分で行えるランドリー設備も完備しており、長期でテレワークとして過ごすものも多いため、必要なものは揃っている。つばきホテルでも良いのだが、毎日自転車は分解しておき、フロント横の荷物ブースでの預かりとなる。
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五島福江島サイクリングルート3選
これから紹介するルートは3つである。初心者向けの要素も大きいが、これらを組み合わせたり、長距離にすることで上級者でも十分楽しめるものになるだろうから、お付き合いいただきたい。
奥浦・堂崎教会ルート
最もベタでベーシックなルートであるが、毎日乗っても楽しいと筆者は思っているルートだ。長崎県内で一番気に入っているルートであり、季節によっても時間によっても景色が変わる様が好みにあっているのだ。
岐宿・三井楽ルート
岐宿の二本楠の雰囲気というのか、山内盆地の風景がどこか好きなので、ここへ向かうルートもまた良いものである。筆者は穀倉地帯のようなところがどうも好みのようで(ただ単に平坦なところへの憧憬があるのだろう)、武雄からの佐賀平野や壱岐の原の辻なども好きなルートであり、そのうち紹介したい。
鬼岳周回ルート+アルファ
五島福江のシンボルである鬼岳を一周してくるルートである。畑の中をただ片側に海、片側に鬼岳という、福江島南部らしい景色を楽しむルートとなる。