福江島 サイクリングコース
朝からちょっと北の方へ足を伸ばして、ランチを市街地でいただいて、午後は鬼岳を一周などと、軽く考えられるようなコースどりを三つ連載していく。上級者になれば、五島一周コースを全て回ると111km程度になり、そこそこ満足できるだろう。Covid-19下では、自宅などでのローラー練習なども普及しているが、長崎県内でも数少ない、信号待ちを気にしなくて済み、割合平坦なルートでのサイクリングとなるだろうから、長崎市内の者からすると、楽しめるのである。
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福江島の中では道路網が張り巡らされており、起点と終点の集落の名前から線名が定められている。基本的にはこのルート上を走行することで、農道に迷い込んだりはしない算段となるから、これを追ってみると良いだろう。ちなみに、農道に迷い込むと、ゲキサカ(9%以上)に出会うコースもあるため、好きな方は喜んで迷うをしてほしい。
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山内盆地をあえて通るルートで万葉の頃からの西の果て、三井楽へ
山をこえて三井楽へ
三井楽の先には大陸だったという時代は近代まで続いていた。万葉集にも多く詠まれた三井楽の地は、大変な航海の時代には最後の日本の寄港地とされ、その向こうにはどんな世界が広がっているのかは想像だにできなかったのだろう。
ほとんど初心者に近い筆者でも適度な達成感が得られるルートであろう。三井楽まで往復40km、三井楽エリアで20km程度とし、結節点となる遣唐使ふるさと館で補給や休憩を行うと、初心者でも十分楽しめる。
国道384号線をベースにしたルートである。このルートは道路事情が大変よい。
河務から水の浦教会へ至る。水の浦の入江を見下ろし、木造造りの白い教会堂である。教会より手前1kmほどにローソン+ポプラがある。
もともと葛折りであり、かつては海の開ける様が五島らしくて良かったとされる、打折峠を抜けると三井楽となる。短いトンネルが一部傾斜もありながらのコースであるから天候などによって気をつけてほしい。南高を抜けて、5つのトンネルを抜けると遣唐使ふるさと館という道の駅がある。
三井楽 遣唐使ふるさと館
万葉の頃からの西の果ての土地、三井楽。壱岐や対馬と並び、大陸への最後の風待ちの港である。万葉集に渡航者の歌として詠まれ、蜻蛉日記には「亡き人に逢える島ーみみらくのしまー」と記載されている。
いづことか 音にのみ聞く みみらくの 島がくれにし 人をたづねむ
西方浄土の島、異国との境界にある島として認識されていた。
Covid-19下ではなかなか海外への渡航は難しくなり、情報は入れど、なかなか行けない江戸時代のようになったという話を以前書いたことがある。江戸時代においても、とかく鎖国と言われているが、情報はやや遅れて、モノはどこそこからの産品として、輸入されており、案外Covid-19下でも変わらない様相ともとれる。
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海外渡航による見聞を広めるのはどこの島国においても重要で、ここ三井楽はその最前線の一つであった。三井楽の崎の突端にある柏と呼ばれる集落には、当時の遣唐使の飲料水ともなったとされる泉がある岩嶽神社もお参りするのも良いだろう。
三井楽を一周
遣唐使ふるさと館からは三井楽半島を一周する。高崎海岸や長崎鼻などの景色が良いと言われ、五島の人々からもすすめられるスポットである。上述の突端の集落、柏は捕鯨の集落でもあったようで、その向こうに広がる東シナ海の景色も良いだろう。
三井楽から山内盆地へ
三井楽を楽しんだ後はまた打折峠を抜けて、岐宿の楠原を目指す。ここから少しアップダウンを繰り返すと山内盆地にである。割合平坦な五島においても、一番の穀倉地帯とされ、平坦なところに田んぼが広がっている。
二本楠交差点を左折し、福江荒川線を通り、山間部を抜けると福江に戻ってくる。一つの山間部を抜けるのにも獲得標高は100m程度、5−6 %の斜度であるから、そこまで大変なものではないため、快調に自転車を飛ばすことができる。
一周というのはどうも辛いであろうし、というものにはちょうど良い。山間部も通りながらのルート選定で、山を越えたら東シナ海の風を感じるルートである。万葉の頃からあまり変わっていなさそうな景色を見るのにも良いだろう。
二本楠から福江までのアップダウンの区間も、長崎県とは思えないような小さな渓谷(そもそもスケールが小さい)を楽しめるので、ここも筆者が好きな区間である。
- 距離:63.45 km
- 獲得標高:1022 m
- 石田城、現在の五島高校を起点とした。以下同じ