長崎を「さるく」ように走ってみよう
坂の街、長崎ではあるが、長崎市への旅行者・出張者にとっては、実感し難いかもしれない。主な交通機関や宿泊施設は平地に集まっており、そこを移動することが多く、プライベートの観光で、稲佐山の中腹や立山のホテルに泊まることも今では少ないだろう。地形のこともあり、路地や道路は狭いところもあり、信号機も多く設置されており、なかなかの交通量で、スピードを出しての練習というのは難しいのが、また長崎市内の特徴でもある。
長崎には「さるく」という単語があり、ぶらぶらと、ウロウロと歩くという意味である。ふと足を止めても良いやと、歩き回る感覚で、路地裏や工場の前、教会、様々な史跡を眺めながら、楽しんで欲しい。史跡にはそれぞれ歴史や由来の銘板が表示されている。
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長崎を走るのに必要なもの
長崎を走ると言っても、特に平常時にトレーニングしている道具で対応可能である。以下のものは必ず使用するだろう。
- シューズ
- ウェア、靴下
夕暮れ時には、ウェアは視認性の高いもの・ライトの使用を!
夜間や夕刻時には、視認性の高いウェアや反射板を使用することを強く勧める。山の急峻な谷間に造成された街であるから、朝は日の出より、日が登るのが遅く、夕方は日の入りより夕暮れは早くやってくる。夕方の時間帯には薄ぼんやりとしか見えないため、反射板や自転車用のライトの使用を強く勧める。自動車だけではなく、路面電車やバスといった公共交通機関の種類も多く、皆運転は荒いため、こちらから視認性を上げて、存在を知らせるようにしてほしい。歩行者が少なく、車の通行量が多い道路も多い地方都市ならではである。長崎の人々はまっすぐ歩くことができないようで、他所の人からも驚かれることもあるほどである。
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スマートフォン、小銭に加えて、日中のランでは、南国のような日差しを遮るキャップやサングラスなどもお忘れないように。
4月後半になるにつれて、日中の気温はぐんぐん上がり、湿度も高くなっていく。こまめな水分補給を忘れずに。サイクリングの際の注意事項も記載しているので、そちらも参照されたい。
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おすすめのジョギングコース 4+1選
普段、筆者がベースにしているジョギングコースを元に、ご紹介していく。出島・中華街周辺がホテルの多いエリアであり、出島を出発点としている。4+1としたのは、長崎ベイサイドマラソンのコースが一つ入れたためである。
(1) 県庁・県警・水辺の森コース 全長約 4 km <初心者・スピードトレーニング向け>
夕刻になると、ランニングや散歩にでてくる地元の方が多いのがこのコースである。水辺の森公園は周回が700m程度、県庁・県警の周回が1000m程度である。水辺の森公園の周回コースは信号機の設置がなく、水辺の森公園では横断歩道を跨ぐことがないため、スピードトレーニングでも利用できる。
県警・県庁の周回コースは5分サイクル程度の信号の代わりであり、走力によっては利用しやすい。
Stravaからのデータ
- 全長 4.52 km
- 獲得標高 58 m
(2) 寺町コース 全長約 9 km <長崎観光向け>
長崎の「まち」と呼ばれる旧市街をほぼ半周する往復コース。一周6−7kmほどの小さな領域内で、長崎くんち の踊町は持ち回っている。丘・山が始まる境界ラインに寺社が立ち並ぶ。名跡を追いながら、長崎の古いエリアを進んでいくコースである。
中島川の河口にある出島をスタートし、上流方向へ。
上流へ向かっていくと、眼鏡橋のかかる。渡ってみても良いだろう。
一旦、諏訪神社方向へ折れて、諏訪神社電停地下道を通り、長崎の岬の丘へ出、西坂へ向かう。
駅方面へ向かい、折り返し、諏訪神社方面へ戻り、新大工、鳴滝へと進む。
蛍茶屋の電停を伊良林方面に渡り、風頭の山の裾野をぐるりと、寺町をぬけ、再度出島へ戻ってくるコースである。
Stravaからのデータ
- 全長 9.33 km
- 獲得標高 89 m
(3) 教会巡りコース 全長約 13.5 km <浦上・長崎市街一周コース>
歴史と浪漫の街と思っている方が多いようだが、その実、長崎市には血塗られた歴史が際立っており、このルートも、そのようなところを巡っていく。
出島前を出発し、浦上川に沿って、一気に北上し、浦上の競技場に向かう。この単純往復に競技場でのスピード練習やフォーム練習を組み合わせるという手もある。
浦上天主堂から医科大学前を通り、西坂の26聖人記念館、中町教会に立ち寄り、そのまま繁華街を抜けて、大浦天主堂に向かい、出島へ帰ってくる。クリスマスシーズンとなると、教会のイルミネーションが美しいのが楽しめる。
Stravaからのデータ
- 全長 13.56 km
- 獲得標高 95 m
(4) 港湾都市 長崎コース 7 km <Easy run向け>
延長していくと、小ヶ倉や深堀香焼方面まで足を延ばせる。車の往来も多いルートとなり、平日朝夕の時間は混雑している。休日の午前中や午後遅くがおすすめ。選手も利用するコースであり、他のコースに比べて、走行フォームが良い人が多い。
出島をスタートし、長崎港フェリーターミナルを右手に水辺の森公園へと入っていく。
長崎税務署を抜けると、浪の平から戸町にかけては、造船所が続くエリアとなる。中小の造船所が軒を並べ、碇屋やロープ・鎖屋といった、みたこともないような商売が出現する。
戸町交差点から折り返し、長崎市内方面へ向かう。戸町トンネル(昭和8年開通)を通っていくのもよし、また来た道を帰るのもよし、海沿いの風景を楽しむなら、もと来た道を進むと良いだろう。
Stravaからのデータ
- 全長 7.29 km
- 獲得標高 28 m
☆ 長崎ベイサイドマラソンコース 全長約 20 km
4+1としたのは、これが長距離で、ベイサイドマラソンのコースとなるからである。毎年、11月の中旬に行われていた、長崎ベイサイドマラソンのコースである。港町長崎らしい景色と坂を楽しむコースである。
長崎港の奥まったところを走りながら、長崎港を一周してくるコースとなり、立神地区では三菱重工の造船所のそばを走り、煉瓦積みの塀やクレーンの立ち並び、機械油の匂いを感じることができる。
そのままトンネルを抜けると木鉢から神ノ島エリアとなり、長崎市に散在する古い集落から神の島教会までを眺めながら折り返す。
ハイライトは女神大橋への傾斜のきつい坂であり、本番ではここでの木鉢の人々の太鼓がランナーを励ましてくれるのだが、長崎らしい急な坂を体感できると思えば観光としても良いかもしれない。競技ではないので、少しコースを外れて、国分町近辺の路地裏などの散策も楽しんでみても良いだろう。
女神大橋から女神へ降りる坂は木鉢よりもより緩やかであり、スピードが出る。また、リカバリーに使うというものもある。金鍔という珍しい地名を過ぎ、戸町切り通しを過ぎて戸町の街をぬければ、長崎市内である。
2020年は長崎平和マラソンとして、同じ時期に開催されるようで(新型コロナウイルス感染症拡大により情勢は不安定であるが)、フルマラソンのみとなる。
Stravaからのデータ
- 全長 20.94 km(各所微調整が入っている)
- 獲得標高 269 m
終わりに
こうして見てみると、案外平坦なところが多いことに気づかれることだろう。坂のアップダウンもそこそこあるルートを織り交ぜながら、ご自身の体力に合ったコースやルートを選択してみてほしい。
新型コロナウイルスの影響もあり、ジムなどの運動施設での運動を控えていらっしゃる方もいることだろう。散策がてら、いろいろなコースを試してみて欲しい。