長崎駅前という立地と歴史
長崎駅前、終着駅として過去にはブルートレインさくら・みずほ・あかつきが発着したり、海産物を満載して発着する車両があったりと、鉄道を利用する人が多かった時代があった。一晩走り続けたブルートレインがお昼過ぎに到着していた時代であったから、終着駅の長崎に到着する頃には、お昼時であった。駅前には多くのちゃんぽん屋には、長崎らしいハリボテ感の漂う中華紋様などがあしらわれた店は少なく、食堂ちゃんぽんが楽しめる店が多かったのである。営業者の高齢化、長崎駅の高架化などに伴う長崎駅との遠い距離などが原因なのだろう。残り少なくなってきた長崎駅周辺のちゃんぽん食堂、早めに巡っておいた方が良いだろう。
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そんな中、浦上駅前の浜口町(大学病院下で就業人口や来訪人口が多い)エリアにも開業した、中華 大八を今回は紹介する。
メニューは以下の通り。少しずつ値上げの波が来ている様にも思われる。焼きそばと皿うどんの違いなど、見ていて飽きないのがここのメニューである。この手の店、中華軽食 三八などでも必ず置かれているのがおでんの鍋である。ちゃんぽんやラーメンが上がるまで小腹を満たすため、ビールと併せて楽しむためなのか、必ず、おでんが置かれている。
ちゃんぽんの焼きと煮の問題
ちゃんぽんが難しいのはこの両方のバランスであるらしい。焼きというのは、初めの炒めのことらしく、キャベツなどの野菜の甘味が出てくるという。具材の一部が焦げるくらいまで炒めることを好む者もいる。煮というのは、唐灰汁入りのちゃんぽん麺とスープを入れて、グラグラと煮立たせることらしく、スープに唐灰汁が染み出し、野菜を始めとした具材の旨みが移るという。焼きを入れすぎると焦げた部分が多くなるが、甘味が強く出、煮すぎると野菜のシャキシャキとした歯触りがなくなるが、スープのとろみが増すという。この辺りのバランスもちゃんぽんにおいては重要な鍵になってくる様である。この土地の人々は、焼きちゃんぽんとか煮ちゃんぽんとか呼んで、自分の好みの主張が激しい。リンガーハットは両方できないため、嫌がる者もいる。この点については後に調理法の原則を踏まえて論じている。
大八のちゃんぽん
具材は、はんぺん 、イカなどの海産物、豚肉、野菜をたくさんでどれも大きさが小さめになる様にカットされている。麺は唐灰汁のややきいた中丸平麺のちゃんぽん麺である。スープは鶏ガラベースである。
焼きをきちんと入れた上での煮も利かせてあり、しっかり具材の味が染み、とろりとしている。野菜の縁がやや焦げるほどまで炒めてあり、海産物もコリコリとした歯応えになっている。小さな牡蠣が入っており、これも味を出すファクターかもしれない。
中華 大八の店情報
長崎駅前で残り少なくなってきた、ちゃんぽん食堂である。古典的な食堂ちゃんぽんらしい仕上がりで、まだ料理人も若い方の部類であるから、鍋もきちんと動いている。遠くなる長崎駅のホームであるが、バスセンターから通り二本向こうであるから、高速バス利用で訪れると良い。
- 住所:長崎市大黒町8−13
- 電話番号:095-829-3852
- 営業時間:11:30ー14:30 17:30ー20:30
- 支払い:現金、QRコード決済(paypay)