はじめに
はじめに紹介するちゃんぽん屋を選ぶということは大変神経を使うような気がする。思い入れがあるのか、とか、とびきり口に合わないのかなど、色々と余計なことを考えてしまう事態となる。市内のちゃんぽん屋の一覧でもあるならば、アルファベット順にでも紹介できるのだろうが、古い順にでもするべきか、色々と悩ましいものがあった。
いく日か前、ちゃんぽんについて、雑多なことを序論として書きつけてみた。
dynamic-nagasaki.hatenablog.com
長崎でも異色の中国料理店
長崎では、ちゃんぽんの項ではあまり触れなかったが、中華料理というと、福建をルーツにしたものが多い。これは、長崎の歴史的背景によるもので、江戸時代、日本国内で唯一の国際貿易港として、清国とオランダとの交易をしていたが、清国との交易は福建出身の漢人商人によっていた。このため、西の果ての”元”国際貿易港では、福建風の甘い、黒酢などの調味料を多用する中華料理が主体となっている。
今回紹介する紅灯記は、このような長崎では異色の存在である。1代目は横浜中華街の出身であるらしく、しかも広東にルーツを持つと言う。そのうち紹介する予定の紅灯記名物のネギそばはそれをよくあらわしているように思う。1代目が長崎と出会い、長崎で始めた店がここ紅灯記であった。
紅灯記の海鮮ちゃんぽん
まずは写真をご覧いただこう。
どこぞの(長崎ちゃんぽんストリートで主体の)”そぼろちゃんぽん”より豪華で、出てくるとワクワクするのが、紅灯記のちゃんぽんである。中華食材らしいあしらいで、エビには衣がフワッとついており、小さな牡蠣やイカ、貝柱が載っている。また、定番のはんぺんは彩りも強くなる紅白のものを使用している。そして、野菜も、長崎の典型的ちゃんぽんとは異なり、木耳、筍、ホウレンソウにゴロゴロとしたキャベツなどである。スープは海鮮具材もあって、鶏ガラベースに海鮮の出汁も出ている。具材などの煮方、炒め方などの度合いは塩梅よく、どちらかと言えば、炒めるをメインにしたちゃんぽんであるが、長崎の人がいう、ヤキはまわっていない。
器は口の開いた、厚手の白磁碗で、中の具材の彩りが強いためか、センスよく見える。
最後に
中華食堂系のちゃんぽんが、メインであるこの街のちゃんぽんであるが、初回ともあり、少し違ったものを紹介してみた。夜のメニューなどは、まだ試すことができずにいるため、そのうち、友人たちを誘って行ってみたいものである。
店情報
- 時間:11時30分〜13時30分、17時30分〜20時30分
- 定休日:日曜日。その他不定休。
- 支払い:現金、キャッシュレス決済可。
- 電話:095-826-3004
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〒850-0033 長崎県長崎市万才町3-2
※2021年1月7日追記
夜のメニューでもちゃんぽんや皿うどんの提供があったという。夜のディナーでの提供を1月から中止している。ちゃんぽんは夜のみ提供と言う店舗があったりと、ちゃんぽん屋ではなく、中国料理店としての矜持を感じさせられるような変更である。
今年から、当店のチャンポンと皿うどんのディナータイムの販売が無くなり、ランチタイムのみのメニューとなります。
— madam譚 紅灯記 (@tsuyatama33) 2021年1月4日
召し上がりたい時はぜひ、ランチタイムにお越しくださいね。
どうしても夜に召し上がりたいという方は、コースのご注文で、〆の麺をネギソバから変更する場合のみ対応致します。
※2021年6月現状
さらにある日の様子。ついにはちゃんぽん皿うどんの提供をお休みしている旨が出た。
鶏絲涼麺は美味だった。