新地中華街で初めて紹介するのは会楽園とした
新地中華街、ちゃんぽんストリートの北門にそびえる2店がある。会楽園と京華園である。京華園については、あまり紹介する気も起こらない様な店舗である。一方の会楽園は実直で勤勉な経営と営業スタイルでなかなか好感を持てる。ちゃんぽんを巡ると称しての題で20回目にして、はじめての長崎中華街(ちゃんぽんストリート)のちゃんぽんを紹介することになる。
会楽園は 昭和2年創業の中華街でも老舗の中華料理店である。ランタンフェスティバルの創始者で長崎新地中華街商店街振興組合の初代理事長をつとめられた林照雄さんが支配人を務める店である。1987年の春節祭としての開始以来、現在のランタンフェスティバルまでの発展に尽力されている。1992年のハウステンボス開業後には、長崎市への観光客の流れが低下したとして、市から1000万円*1の予算がついたなど、色々な話がそろそろ昔話になっているようである。中華街の中でも長崎の発展や文化の振興に尽力される、稀な中華街の店舗であろう。このため、食事も店舗経営も端々に気配りを感じるのである。
ただし、ちゃんぽん以外の料理は福建の流れを組むからか、どこか甘く、あまり美味しいと思えないのである。大体宴会で行っても、そこそこしっかりとした金額をとられるのであるが、普通の町中華に毛のはえたレベルで、しかも甘く、冷めていることが多く、ほとんど食べずに、どこかの日本料理屋で美味しい刺身をいただくか、餃子の王将で定食を食べて帰るかくらいする方が良いのだ。ちゃんぽんに労力を振りすぎて、本来の中華料理屋の本分はどこかに置いて来ているのだろうが、中華街の大抵の店はこの方向性で仕事をしている。
だから、ちゃんぽんストリートと呼ばれる。
ちゃんぽんストリートの組合の縛りなのだろうか、20時ごろで店が閉まることも残念である。
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会楽園のちゃんぽん
ちゃんぽんストリートのちゃんぽんの中でも、少しずつ時代に即して進化しているという。スープは鶏がらスープがメイン、豚骨と共に7:3 という。もともと鶏がらスープを100%としていたようである。具材ははんぺん(カンボコ)、ちくわ、海産物、キクラゲ、ネギ、もやし、キャベツが入っている。麺はもちろん唐灰汁入りの灰色の麺である。彩りは薄いカンボコのピンクに引きずられて、淡いまとまりである。器は会楽園のロゴ入りの、口の開いた器である。具材からの味がしっかり染み出しており、ちゃんぽんとしては美味な部類である。
いかに、過去の記事から会楽園のちゃんぽんの製法を見つけたため、ここに載せる。中華料理館というより、ほとんどちゃんぽん屋であるコメント・インタビューで、やはり中華街ではなく、ちゃんぽんストリートなのであった。
中国料理 会楽園 林照雄の「ちゃんぽん」 | 九州の味とともに 夏 | 霧島酒造株式会社
店情報
宴会の中華料理と言っても、高い、甘い、座敷と、どこか人気もない会楽園であるが、さすがちゃんぽん屋だけあって、一定のクオリティを保っている。ちゃんぽんをメインとするちゃんぽん屋として訪問するには良いだろう。
- 住所: 長崎市新地町10−16
- 電話番号: 0958224261
- 営業時間:11:00-15:30 17:00-21:30(LO 20:10)ラストオーダーは午後8時10分である。ランタン期間だけはやや長い営業としているからたちが悪い。
- 支払い:現金、QRコード決済、カード可