小値賀島
人口は2200人程度といい、島内からは佐世保や福岡方面への人口流出もあり、息子が娘がと高齢者も介護が必要になると、島を出ていく人がいるという。小さな高速船やフェリーにて本土と結ばれており、観光客やビジネス客も島民の数に比べると、そこそこの数がやってくるようである。何というものがあるわけでもない島であるが、仕事の合間に、島民のように過ごすには、天気が適当であれば快適であろう。
チェックインまで
船の到着に合わせて、スタッフが送迎してくれる。添乗員出身という女性スタッフはテキパキと団体客に指示を出し、必要なサービスを展開し、ホスピタリティは十分に感じられる。
旅館タイプの部屋 ビジネスや部屋での作業には不向き
島宿 御縁の宿泊棟は本館と別館とに分かれている。13室の部屋を有しており、ドミトリータイプと旅館タイプとの2種類が用意されており、今回は別館の旅館タイプの部屋を利用した。
ワンルームのアパートのような部屋で、ベッドが一つ、テレビの置かれた机が置かれている。風呂とトイレは一つにまとめられている。クローゼットもあり、洗濯用のハンガーまで完備している。
ベッドにはマットレスとサイズの合わない布団が敷かれ、そこにベッドパットが当てられているのみである。寝返りをうつごとにずれていく布団で寝心地はあったものではない。シーツもあてていないが、ベッドパットを洗濯するようにしているのであろうか。。。
形ばかりに机は置かれているが、「迫り来る大画面」状態のテレビで机の上はいっぱいとなり、かろうじてA4サイズの書類が並べられる程度である。テレビの移動を企てたが、落下させて島まで持ってくるのも大変なものであるから、そのままベッドを机代わりにぱちぱち仕事する羽目となった。
水回りもそこまで大きな部屋ではないため、何かと不便ではある。立ちあがろうとすると自分の腿でトイレットペーパーホルダーに当たり、そのうち破壊してしまいそうな恐怖も出てくる。
このほかにも部屋の広さが異なる部屋を多数用意はしているようで、以前泊まった同僚たちは、部屋が広くてよかったとの感想も聞いていた。どんなお部屋が当たるのか、くじ引きのような状態で、長期での利用となる場合には、あらかじめの電話相談をしておいた方が良さそうである。
ワーケーションに必須のインターネット環境や電波環境が安定しない小値賀 島宿 御縁
筆者はdocomoの回線を利用しているのであるが、とにかく「電波が悪い」のである。電話はぶちぶち切れるほどで、メッセージのやり取りはLINEで30秒に一本やり取りができるかどうかという程度であり、チャットは不可、写真を共有など夢のまた夢の話で、2000年代前半のmova時代でもここまでひどくはなかったものである。ちょうど、JR長崎線の長崎トンネル(浦上-現川間)状態である。
仕事の電話で、機微に触れるような話は食堂ではできず、コワーキングスペースとして開放している食堂ですら、4G回線での電波が完璧につながるわけではなく、Wi-Fiでの接続も回線が細いのかスムーズにはいかず、仕事関係のメールですら、やり取りがままならないこともあった。
大学の学生を授業の一環で来島させ、満室が続く期間であったため、部屋交換などはできないような雰囲気でもあり、このままフラストレーションのみが溜まる滞在であった。基地局からの電波が地形による障害で、入りにくくなっているのであろう。
充実の夕食と朝食
前評判では、夕食や朝食が食べきれないほどに出てきて、全泊で食事をつけるのはやめた方が良いほどということだった。それも去年までのおはなしで、流行りのSDGsなのか、残す客が多かったからなのか、量自体は、アラフォー男性にとっては腹9分目程度であった。
時化の真っ盛りの時期であまり魚が獲れていない様子の島内であった。カマスも立派であったが、割合洋風のメニューが多く、食べやすい食事であった。
その他の設備 カラオケスナックメロディとコインランドリー
島宿 御縁にはカラオケスナック『メロディ』とその一部にコインランドリーが併設されている。コインランドリーでの洗濯を待ちながら、お酒を飲んでいた。地元の人々、宿のスタッフもやってくるスペースで、奥にはカラオケスペースもふた部屋用意しているようであった。
おわりに
Covid-19下でのワーケーションなる試みが知られるようになったのだが、少なくともほとんど完璧な電波状態、広いデスクと座り心地の良い椅子くらいは各部屋で用意できないと、適していないであろう。どんなに課外活動が面白く、景色が美しくても、インフラ面が整わないことには、リモートでの仕事というものには不適格になってしまうのである。
仕事で訪問している身としては、朝6時から用意してくれる朝食などは大変ありがたいのであるが、どこか、若いスタッフの疲れというか陰のようなところも見え隠れしていた。
宿泊情報
- 住所:北松浦郡小値賀町笛吹郷1359-1
- 電話番号:0959-56-2588
- ウェブサイト:https://www.shimayadogoen.com
- チェックイン:13:00
- チェックアウト:10:00