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雲仙 普賢岳の噴火から30年 その1 大野木場小学校跡地(砂防みらい館) 水無川の上流域の被害を観察

雲仙 普賢岳噴火から30年をむかえて

1991年6月3日、前年11月から噴火活動が続いていた雲仙 普賢岳からの火砕流による犠牲者43名が出た。「定点」と呼ばれた、マスコミ各社が詰めかけた報道陣の観察ポイントや消防団の詰所となっていた北上木場農業研修所を火砕流が襲った。加熱していた報道合戦により、住民が避難した後の民家からの無断使用、警察や消防団の規制線を超え避難勧告エリア内での報道陣の侵入が見られ、消防団員、警察の見回りが強化されていた。「報道の自由を当局が規制しようというのか」と反発(*1)もあったというが、これにより無辜の一般市民を危険に晒し、午後4時すぎ、火砕流が定点付近を襲うなか、報道関係者16名に加え、彼らが借り上げていたタクシー運転手4人、地元の消防団員12人、警察官2人が犠牲となった。火砕流の高速で斜面を滑り降りてくることと、土石流のように見えたが実際は高熱であり、熱風も伴っていたものであったことは、この事例により初めて認識される様になった。

*1 https://www.47news.jp/5502253.html

当時の様子を伝える記事が西日本新聞から復刻版として出ている。様子が生々しく、火砕流のことが伝わってくるだろう。

www.nishinippon.co.jp

2021年5月25日には、長崎の地方局テレビ長崎(KTN)では、この6月3日に起こったこと、定点付近の遺構発掘現場を追ったドキュメンタリーを放映した。

youtu.be

www.ktn.co.jp

 この後、6月8日20時ごろにはより大規模な火砕流の発生をみたが、住民の避難等は済んでおり、犠牲者は出ることはなかった。96年6月3日に終息宣言を出すまでに9432回の火砕流の発生をみ、夜間に赤い炎をあげながら降りてくる火砕流の様子などは繰り返し報じられていた。梅雨時や降雨時には土石流の発生もみられ、繰り返し集落を襲うこととなった。避難者は1万1千人、被災家屋は2500戸におよび、長期にわたり、農業への影響が出ている。

水無川上流域

※普賢岳に近い部分では依然として立ち入り禁止区域として設定されており、登山等でも立ち入ることはできない。観光等で付近に近寄る際には、事前の地図の確認、禁止標識の確認を怠らない様にすることが望ましく、堆積物崩落等も警告されているため、情報収集を継続して行うこと。

www.nishinippon.co.jp

 

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水無川の橋梁から普賢岳方面をのぞむ

夏も中盤であったが、低木がしげる程度で噴火による土砂部分は淡い緑色をしている

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水無川を望む高台から有明海方面をのぞむ

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眉山ロード上から、上の写真とは反対側をのぞむ

低木で覆われた薄い緑色にしげる部分が噴火による土砂により埋まった谷のあと

大野木場小学校被災校舎 砂防みらい館

1991年の9月15日の火砕流により、大野木場小学校は被災した。この地のそばには砂防みらい館として国土交通省による施設がある。大野木場小学校の被災状況を観察してほしい。熱風と熱により変化した大野木場小学校の様子を観察する必要があるだろう。そして、砂防みらい館として整備された建物には、各種過去の様子も含め、一通りの歴史的事情もみられる。

www.nagasaki-tabinet.com

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小学校の入り口

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小学校の校舎外観

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小学校の外観

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窓枠

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窓からの

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教室内の様子 床は剥がれ、基礎部分か見える

砂防みらい館

併設された砂防未来館は、防災体制になっても対応可能であるように、各種の体制をとられるような体制になっている。地下や最上階に残されているスペースを確認することができる。

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パネルをメインとした展示がある

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展示

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火砕流と土石流の被害を示す展示

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砂防ダムなどの防災設備の建設は、遠隔で行われた

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当時の遠隔操縦の機材

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普賢岳の噴火により発生した土石流

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普賢岳の噴火前後での水無川の比較 噴火により堆積した土砂により谷が埋まるほどであった

 

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普賢岳から有明海にかけての導流堤の様子を衛星写真で確認できる

この写真を伴い、車で散策すると噴火の被害、復興の概要を感覚できるだろう

 

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