おじいさん、おばあさんのファミリーレストラン やまと
長崎空港でも人気の緑色のパッケージの角寿司の有名店である やまとは、実はおじいさん、おばあさんにとってのよそいきのレストランでもあるらしく、ファミリーレストランよろしく、皆が銘々、好きなものを食べているのである。老いも若きも、うどんやら何やらを好きなように頼んでおり、チェーンのファミリーレストランの怪しげな雰囲気はなく、食後は皆がのんびりとお茶を飲みながら、歓談しているのである。大村の角ずしのあるような店舗は大抵こんな雰囲気である。
大村における角ずしの謂れは、以下にあげる様なものである。
大村寿司というのはそもそもの謂れは、1481年と、おそらく記録が残っている長崎県内の食べ物としては、最も古い部類に入る。五島うどんにしても、諸説あり、自然発生的だが、この大村寿司はハレの日の、おめでたい食べ物である。戦国時代の始まった文明6年、大村純伊は島原半島の有馬貴純に攻め込まれ、中岳城の合戦において敗北し、現在の佐賀県唐津市の沖合いにある加々良島(現名称 加唐島)へ逃れ、その7年後、渋江氏らの援軍を得て、大村へ帰還した。
領民は凱旋を喜んだものの、膳の用意ができないため、もろぶたに寿司を作って迎えたという。この寿司が魚の切り身や野菜を載せて、軽くおしたものであった。脇差を抜いて、各自で切って食べたという。当時の寿司は、熟鮓の様なものであったろうから、今の様な握りではなかったはずである。
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やまとのちゃんぽん
ちゃんぽんであっても、角ずしをつけるのが大村流であるらしい。
具材はキャベツ、ネギ、モヤシ、タマネギ、黒キクラゲ、ゲソ、豚肉、ハンペン(紅色)、チクワなどである。麺は、丸麺の黄色のちゃんぽん麺であり、県央エリアではこの麺が多用される。スープは透明な鶏がらスープである。
食堂ちゃんぽんの範疇には入るのだが、案外寿司には合っている。この薄めのスープを啜りながら、角ずしや甘く煮付けたカワの稲荷寿司をいただくのである。長崎市内でのトロロ昆布の梅干しおにぎりと食堂ちゃんぽんの取り合わせが良いように、これはこれで大村らしい出来であり、ぜひ試してみて欲しい。
器は唐子の遊ぶ姿が並んでいる白磁碗である。やや平たく口の開いているものである。
大村角ずし やまとの店情報
- 住所: 長崎県大村市本町474−5
- 電話番号: 0957-52-3546
- 営業時間: 10:00 - 20:00
- 支払い:現金
- Web: http://www.kakuzushi.jp