長崎市と上五島を結ぶ高速船 シーエンジェルとシープリンセス
長崎市と新上五島町(中通島)を結ぶ船は、奈良尾港と有川港、鯛の浦港の三つの港から出ている。長崎市内のものでも、あまり深く理解しているものがおらず、自動車をフェリーするために、わざわざ佐世保まで行って島へ渡るものもあったり(車の空きはあるにもかかわらず)、到着港が三つあるというのはある意味、理解には不便である。島内の交通手段が起伏に富んだ地形で不便な新上五島町の中通島では、細くとも、三箇所と結ばれた方が島民の感性にもマッチするのであろう。
長崎市と高速船で結ばれるのは、奈良尾港と有川港、鯛の浦港の三つであり、奈良尾港はすでに紹介した九州商船のジェットフォイル、有川港は九州商船の単胴高速船、鯛の浦港は五島産業汽船の双胴船である。カタチも色々で興味深いのが、上五島の事情である。フェリーとなると、奈良尾港と長崎市を結ぶ九州商船フェリーの万葉と椿、有川港と佐世保市を結ぶ九州商船フェリーの なみじ と いのり である。
シーエンジェル
旅客室の定員は76名と、シープリンセスと同様であるが、船内の構造は大きく異なっている。座席は少なく、カーペット張りの客室、じゅうたん席と呼ばれる、を船首と船尾に有している。これがシープリンセスでは船尾だけに備えられている。
また、バリアフリー座席やバリアフリー用のトイレも設置されており、今までの船舶と比べてもアメニティ面では大きく改善した船となった。
シーエンジェルの諸元
- 全長 :34.00m
- 幅 :6.30m
- 総トン数 :122トン
- 航海速力 :30.0ノット
- 旅客定員 :140人
平成30年7月31日就航
平成30年7月18日竣工
シープリンセス
シーエンジェルはシープリンセスの改良版と位置付けられるが、乗客にとっては、じゅうたん席の多さによるところが大きい。もともと、九州商船においては、ジェットフォイルとフェリーのみを保有していたためか、試験的にシープリンセスでは、大部分を一般座席としており、絨毯席は船尾部に一部備える程度としている。シーエンジェルで絨毯張りのフェリーの一般席に類似した座席としてみたのであろう。
シープリンセスの諸元
- 全長 :34.00m
- 幅 :6.30m
- 総トン数 :123トン
- 航海速力 :30.0ノット
- 旅客定員 :140人
平成28年10月28日就航
平成28年10月9日竣工
有川-長崎航路のダイヤグラム
長崎ー有川間を1日3往復のダイヤで結んでいるシーエンジェル クラスの船であるが、最大5便まで増便可能であろう。
以下のようなダイヤで動いているだ。
長崎 7:55発 - 有川 9:38着 14:20発 - 長崎 16:03着 16:40発 - 有川 18:23着
他方の船舶は
有川 7:50発 - 長崎 9:33着 11:00発 - 有川 12:43着 16:40発 - 長崎 18:23着
冬季ダイヤでは海上の視認性の問題か、最終便が、20分早発、20分早着の予定となっている。連続する二日間で離島を往復する場合には、両方の船に乗れることとなる。有川港では13時から14時の間、2隻が共にいるのをみることができる。
有川周辺を結ぶシャトルバス(カー)
長崎港からの高速船の到着にあわせて、シャトルバスの運行がなされており、ルート上であれば、利用をすすめたい。地区としては有川、浦浜、青方、七目、魚目地区となるのだろうか、以下のようなダイヤで運行している。