取り残された長崎県営バスターミナル
西九州新幹線の開業が9月23日に迫る中、過去10年ほどの間には、さまざまな再開発計画が出ては消えを繰り返していたが、長崎駅前の県営バスターミナルの再開発は白紙となって現在に至っている。以下の記事によれば、現在のターミナルビルは1963年11月に完成しており、耐震性への対応、バリアフリー対応は行われておらず、長崎電気軌道のバリアフル仕様とともに、長崎市のバリアフリー対策における後進性が際立つ一角でもある。県は新規移転先のターミナルの土地を高架化後の長崎駅北側に取得しており、新規建設の後移転共用の予定であった。これが2020年7月ごろに白紙に戻っている。在来線と新幹線高架の分かれる地点に、県が取得したという土地はその後どうなったのか、不明である。そして、この決定主体は長崎の「メディアあるある」で主語がわからないようにぼやかしてあるのである。常に決定主体を主語として明記しないのが西の果て長崎市の慣習である。
建て替えもおそらくは5年以上が見込まれる、昭和の面影を色濃く残す県営バスターミナルである。他のフロアは分譲式で管理されているらしく、また、バスターミナル内では異常に高額な家賃をとるテナントからなる。そこにかつてあった立ち食いのそば・うどん屋がなくなった後にできたのが、ラーメン屋 麺屋 来人である。
券売機と後から追加で入れたと見られる調理台兼冷凍ケースに冷蔵庫が依然として仮の姿を見せている。養生テープの貼られたカウンターなどを見ると、不思議と昭和感が増強されてくる。
具材はキャベツ、モヤシ、タマネギ、シーフードミックス(エビ、アサリ、イカ)、ナルト、有頭エビなどである。麺は唐灰汁の効いた中平麺のちゃんぽん麺である。スープは鶏ガラと豚骨ベースであるが、牛乳様の液体が投入されていた。
トッピングにこれでもかと粗挽き胡椒が振られており、とにかく胡椒の香りと味で辛い。焼きよりも煮の方が強い調理で、ここに、ちゃんぽん麺は一度茹でられた上で鍋に投入されており、唐灰汁の効いていたはずの麺はどこか間伸びしてチグハグにも見える。 器は今時のラーメン屋の流行り(DJN市内ではあらたにできた店では大抵これ)の逆富士山のような下の窄まった碗である。レンゲの大きさも器に合っておらずやはりチグハグである。
- 住所:長崎市大黒町3−1 長崎交通産業ビル
- 電話番号:05031876508
- 営業時間:11:00 - 20:30