#dynamic_Nagasaki

Dynamic Nagasakiを見つめ直します。現在おっさんがちゃんぽん食べ歩いています。

長崎洋食事情 その2 シシリアのマリンライス

洋食不毛の地、長崎市

長崎市内には、古式ゆかしい西洋料理や洋風料理に乏しい。佐世保に多く見られた様なドゥミグラスソースの美味しい店などというものは、あまり聞かない。大抵、賄い飯/残り物ご飯のトルコライスに全部その情熱を持っていかれてしまった様で、ドゥミグラスソースのきいたシチューやカレーライスなどというものが美味しいと聞く老舗はない。数少ない日本料理屋やフレンチ、ちゃんぽんに拘らない中華料理店を除いて、長崎市内の店を大別すると、ちゃんぽん皿うどん食堂(中華料理店を詐称)、一口餃子屋、トルコライス屋、おでん屋の4つに収束していき、特にこれといったバリエーションに乏しい。料亭も大抵は怪しいものであり、変な横並び意識と、これを出しておけばそこそこ商売は成り立つと考えているのが透けて見える。長崎訪問をリピートしても楽しめる飲食店が少ない現状がある。こんな中でも、シャバシャバカレーの夕月やマリンライスのシシリアなどが老舗になるというのだが、まあどちらも、基本的には洋風料理の中でも怪しい範疇である。ただ、長崎市内でもめづらしい、洋食であるから、記事として取り上げる。

dynamic-nagasaki.hatenablog.com

そもそもマリンライスとは何か?

ある時、おかみさまから「こないだ、東京から〇〇の帰ってきたけん、マリンライスに行ったとさー。センセーマリンライスしっとー?」と訊かれた。マリンライスなどというのは標準語文化圏にもなく、佐世保を中心とした県北エリアでもない料理名であり、世界を見回しても、長崎市内でのみ通用する長崎語のひと単語である。きいてみれば、ただのクリームソースでないドリアである。マリンライスとは、ご飯にトマトソースが載せて、チーズをその上に載せて焼いた料理であるという。

崇福寺に上がっていく通りにポツンと、瓦だけは西洋式の怪しい店がまえのシシリアがある。1979年創業という洋食屋であるが、東京のイタリア料理店で修行した先代が長崎で始めたとある。そもそもイタリア料理などというのは貧弱な概念で、あるのはそれぞれの地方の料理、シチリア料理、トスカーナ料理など、地名や(せめて)州名の料理が本来だろう。きちんとした、本格的なイタリア式のリストランテ、トラットリアができるのは日本でも1980年代後半であったはずだ。初期はスパゲッティだけを提供する店が多かった1970年代ときいているから、どこのイタリア料理だったのか、謎と闇は深い。

中に入ってみると、観光客ではなさそうな、やはり御婦人が買い物の途中なのだろう、グループでやってきては長居している。トルコライスもマリンライスも、この街では女性の層で脈々と受け継がれていく食文化なのだろう。現代の日本、いや、昭和後期の日本でも、この様な食が受け継がれていることは奇異にも思える。

f:id:limken21:20200812013425j:plain

シシリアの外観

f:id:limken21:20200812013436j:plain

植物に覆われたメニュー

f:id:limken21:20200812013447j:plain

店内はどこかイタリア風というよりちぐはぐとしている

シシリアと言っても、名前だけで、特にイタリアンでもシシリーでもないし、州旗も揚がらない店である。マリンライスはおそらく、英語(フランス系)のMarineからきているのだろう。これと並んで、この店の代表的な料理とされる、リーナライスはなんだろうか?シシリーマフィアのSalvatore Riina、リイナからきているのではないかとも勘繰るが、その起源は不明である。 

f:id:limken21:20200812013457j:plain

シチリアのメニューの一部

シシリアのマリンライス

長崎市内で洋食を食べると、大抵、セットメニューらしい、スープとメインとコーヒーなどをつけることが多い様である。マリンライス単体で頼んでも、末恐ろしいものであったら困るし、何しろ、オーブン料理と聞いているから、時間がかかることを想定し、とりあえず、時間を稼ぐために付けてみたのである。ミネストローネというが、トマトの風味には乏しく、店名にある様なシチリアのミネストローネからは程遠い品物である。豆や芋も入っていない。昭和の長崎のミネストローネはこの様なものであったのか、それがそのまま息づいているらしい。

f:id:limken21:20200812013508j:plain

スープからサービスされる ミネストローネというが、それではなさそうである

さて、マリンライスである。マリンライスとは、自家製(!)のトマトソースをご飯にかけて、オーブンで焼いたものという。。。トマトソース自体、ここは長崎であるから、当然、長崎が近い(ど真ん中)のである。甘味を強く感じることとなる。ただ、トマトを使う料理でそこまで大きく外したものというのは難しいから、食べられないものではないため安心はして欲しい。チーズも少々載っていたが、昭和な長崎では、この脂質より、白米を重要視したのであろう、リゾットではないご飯に染みるトマトソースがなんとも不思議なものである。

f:id:limken21:20200812013519j:plain

シチリアのマリンライス

f:id:limken21:20200812013530j:plain

締めのコーヒーまでサービスされる

シシリアの店情報

イタリアンと記載しているグルメサイトもある様だが、これは長崎洋食であり、世界各国見回しても、この様なものはないように思われる。女性の間でも、長崎洋食は人気のジャンルである様で、トルコライス店も、このマリンライス店も女性の訪問者が多い。

  • 住所: 長崎市万屋町6−17 
  • 営業時間: 12:00 - 14:30 17:00 - 20:30
  • 電話番号: 0958229748
  • 支払い: 現金

プライバシーポリシー