問屋街から市場、飲み屋の並ぶ銅座町のちゃんぽん食堂
長崎市の中心部においては銅座・思案橋と言われるくらい、ひとまとめにされている繁華街がある。これには大抵、船大工町・本石灰町(もとしっくいまち)も入っているのだが、大抵、銅座思案橋と呼ばれる。浜町からみて電車通りを挟んで反対側に位置し、銅座川の対岸に新地中華街を臨むところまでがこの一帯とされる。
皆、銅座町と言ったら、飲み屋街と思っているものが多いのだが、その昔、公設市場もあり、その一本電車通り側には問屋街のようになっているところもあり、独特の風情があったようなのだ。現在、(赤)煉瓦パーキング(正式名称 リファレンス銅座パーク)と街の人に呼ばれているところにはもともと飲み屋街が広がっており、細い入り組んだ路地の両脇に小さな飲み屋、居酒屋、スナックの類が軒を連ねていたという。また現在のカンデオホテルとなっているところには道路ギリギリまでユニード(のちのダイエー)が建っており、薄暗い通りであった。また、銅座町には十八親和銀行の本店(旧十八銀行本店)も存在している。茂木の行商の人々が露店でものを売るのも当時は見られており、赤足エビなどを安く仕入れられた時代があった。銅座には飲み屋の活気から銅座市場、昼間の18銀行や問屋など一日中動いている街であった。見てくれが悪いなどの理由なのだろうか、茂木の行商の人々は退去・撤去され、ユニードは建て替え、18銀行は親和銀行へ合併、銅座市場は不法占拠+床の崩落など、この10年ほどで大きく変貌(近代化?)したのである。
その中でも古くから残っているのが永盛楼である。問屋街の並び、現在では医療ビルと履物屋の問屋のあるビルの隣にある。おそらく自前のビルで、2階に住んでいるのであろう。夕方になると電気がついている。Covid-19下では長らく店を閉めていたのだが、長崎でのまん延防止等重点措置の解除をうけ、営業を再開したようだ。地元の客が多く来ると言われているが、現状、入店時は誰もいなかった。
永盛楼は箸袋の情報によると、他にも城山町、西山台にも支店があったというのだが、現状で残っている店舗は西山台の店のようである(現地未確認)
メニューは絞られているようで、壁に貼られている程度のメニューが提供されているらしい。
店主は銅座町での長采を勤めたことがあるらしく、その際の写真などが多く飾られている。銅座の奉納踊りは龍船である。
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過去に(ほとんど昭和テイストであるが)ガイドブックに取り上げられたものを切り貼りしたものが置かれている。地元の人も来ると記載があるのだが、この辺りの人にこの店のことを聞いたことはほとんどない。どこか観光客向けのテイストがある店舗である。
永盛楼 本店のちゃんぽん
具材はキャベツ、タマネギ、ニンジン、モヤシ、黒キクラゲ、エビ、ハンペン(紅白、紅)、豚肉、ゲソ、ネギなどが入っている。スープはやや透明な鶏がらスープである。麺は黄色の丸い唐灰汁の軽いちゃんぽん麺を使用している。
焼きはほどほどに、煮もあまり強くない、あっさりとした仕上がりである。野菜は角切りと細く切ってあるものとが混在しており、そこにはあまり方向性がない。彩りは原色が毒々しく見えるほどになっている。
ちゃんぽん碗は唐子の踊る三川内焼風の染付碗である。その他の茶碗も三川内焼風である。
永盛楼 本店の店情報
住所:長崎市銅座町3−26 永盛楼ビル
電話番号:0958228780
営業時間:11:15 - 14:30 17:00 - 18:30
定休日:不定休