南軍旗の飜る日本の西の果てのアーケード
昨今の、米国の政治事情から見ていると、この風景を見るだけで卒倒するものや脳内ダダ漏れ英語で殴り込みをかけるもの、果ては破壊活動に及ぶものなどがいそうで、考えるだにニマニマしてしまう店頭である。店内に入ってみると、南部テイストはどこへやら、中西部的なオブジェの数々となる。あまり南部ではみないようなネイティブアメリカンの彫像などが置かれている。ウェブ上でも、ウエスタンスタイルとの記載が多いが、ウエスタンなのかサウザンなのかで、アメリカの文化面ではだいぶん異なるだろうが、その辺りへの理解は、やはり乏しいのが長崎市である。
馬なのか、フォードの車のブランドなのかは判然としないが、おそらく、馬のつもりでのBroncoなのだろう。創業は35年前というけれど、おそらくもっと経っていると思われる。
ブロンコのハンバーグ
ステーキを食べようとするとハンバーグを、ハンバーグを食べようとするとステーキをという、どこか天邪鬼な噂を聞く。では、ハンバーグからと、試してみることとした。客はやはり、長崎市街地らしい、どこか冴えない、流行遅れな服装で、おそらく地元の人なのだと判別される。スープと白ごはん、鉄板の料理と順番に出てくるらしい。スープはコンソメの様であるが、胡椒の強い、野菜の少しく浮いているものである。シャバシャバとこぼれているのはご愛嬌である。この手の皿は本来客の目の前でサービスするためのものの様な気もする。
サラダに埋もれたようなハンバーグがやってくる。網焼きハンバーグとのことだが、網焼きの後に鉄板に載せて出してしまっては、もともと網焼きにした意義はどこにあるのか、よくわからないが、まあそういう店なのだろう。
鉄板もどこか手入れが悪いのか、底のヘリの部分には何やら焼き焦げたものが付着しているなど、やっぱりこの辺りも長崎市内らしい、おおらかさで全てが進行している。
浜町商店街ではスタンプラリーと称して、各店舗でスタンプを蒐集すると、特典がもらえるキャンペーンをやっているらしいが、「そんなのやりませんよね」とおカミさん。やっぱり長崎市はどこかおかしな空気感が漂う。
店情報
長崎市内のステーキハウスやステーキを出すお店は、大抵が鉄板焼き屋で、パフォーマンス重視にしか見えず、黙って洋食をという店はあまりない。ブロンコはその中ではやや異色ではある。
- 住所: 長崎市万屋町5−4
- 電話番号: 0958259377
- 営業時間: 11:30 - 14:00(材料がなくなり次第終了) 17:30 - 20:00
- 定休日: 木曜日