歴史とロマンの、伝統のハンバーガー
他所からひとが来たらどうしようかとバアのマスターとヒソヒソと相談して、必ず挙がる店である。また、他所の店で呑んでいて、常連さんや店員さんと思い立って、向かおうという店でもある。「あのオバサマ(JBBaという人もいる)元気しとらすかねー。。。」「あー久しぶりにあすこのハンバーガーがたべたかねぇ」としまいにはお作法の話になる頃には、店の前まで来ているのである。
佐世保にアメリカ軍のベースが置かれたのは昭和21年6月30日、それまでは、西海の守りとして、大日本帝国海軍の西海鎮守府が置かれていた軍港であった。佐世保には、生粋の佐世保にゆかりのある家はほとんどなく、大抵は明治・大正に移住してきた者を祖に持つ家が多い。そんな何処かコスモポリタンな人々にとって、出入りの多く、ハイカラな文化を有する海軍の雰囲気はマッチしたのだろう、そのまま米軍・自衛隊と時代は移っても、何処かほんわりと共存している。アメリカ軍がやってきた際にハンバーガーの作り方なども同時に流入した。アメリカ式のレストラン文化も流入しており、これも「サセホ文化(仮)」として分類しておく。
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「オランダさんからもろたとばい」と胸を張りながら、何も残っていない長崎市に比べると、アメリカの1950年代から現代に至るまでの文化、香りが何処か残っている佐世保には、当時の雰囲気・味が残るハンバーガー店が現存しており、独特の雰囲気がなんとも言えず、上記のようなやりとりが起こる。
先代から店を継いで、古き喫茶店のように、どこかラーメン屋のように、店をやっている。名物のおかみさんがいる。いつもそっけないので、いつからこの店があるのかというのははぐらかされる。昭和28年(1958年)創業であるらしいが、そんなことにもお構いなく、ただ、毎日やっているのである。玉屋デパートメントストアの向かいにあるのだが、コーヒーも提供する喫茶店のような風体である。喫茶店のようであるが、昼間は営業しておらず、夜間のみの営業なのも、独特である。
ブルースカイのハンバーガー お作法がある。
コーヒーはアメリカンと言われるような、グビグビといけるような濃さではない。持ち手は中空になっているカップ(今時は見ない)でサービスされる。
さて、ブルースカイのハンバーガーである。何の変哲もない、ハンバーガーなのだが、パンはカリッとしているが、肉汁などヒタヒタに、鉄板を拭って浸している。トマト、玉ねぎ、卵、パテにケチャップなど、普通のハンバーガーなのである。大手チェーン店が失ったものがここにはあるのだろう。お作法に関しては、ここでは記載しまい。おかみさんの心遣いの一つでもあるのだ。
店情報
サービス面では大きな期待を抱いてはいけない。あくまでファストフードとしてのハンバーガーであり、それをここでいただく意義のようなものがあるだけである。
- 住所:佐世保市栄町4−3
- 電話番号:0956229031
- 営業時間:20:00 - 02:00(+1)
- 支払い:現金のみ