よこはまからの暖簾分け、ニューよこはま
よこはまは長崎でも名の通った中華料理店で、いわゆる町中華の部類に入る。よこはまは思案橋通りと中通りに店を有している。ここからオーナーの甥にあたる方が暖簾分けしてできたと言われているのがニューよこはまである。40年ほどの歴史があるはずなのであるが、その辺りについて記載されたものはない。
ニューよこはまのメインの収益源はおそらく出前である。下の写真の様なオカモチに入れて、店の隣の駐車場に止められている原動機付き自転車で配達するスタイルである。ラップでぴったりと密閉して持ち出していく。
メニューは町中華らしいものばかりである。スーパイコと酢豚より先に表記があるのが、長崎らしい。ご飯ものでカレーライスなども取り揃えているのが、中華食堂の様なレストランなのである。
内装は昭和そのものである。天板には鳳凰が向かいで飛び、雷紋様の金で縁取られた紅い中華風の紋様は当時の流行だったのだろう。
江戸びしと同じ頃の創業なのだろうか、内装のランプが同じものが付いているのである。
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ニューよこはまのちゃんぽん 甘いちゃんぽん?
ニューよこはまのちゃんぽんは、長崎でも最も古典的な長崎のまちっこ好みなものである。スープは他所より甘く、砂糖がふんだんに入っているらしい。砂糖により生まれるコクが長崎ちゃんぽんの古式ゆかしい姿なのだという人もいる。観光客向けにどんどん世の中が改変されていく中、出前をほとんどで、恐竜の生き残りの様にひっそりと長崎の町の中心部の片隅で生きながらえている貴重なスープと味である。
スープは白濁して、やはり甘いのである。他所もそこそこの甘味があるものの、ちゃんぽんを食べ終わっても、独特の余韻を生む、血糖値がグーンと上がった多幸感様の感覚を産む甘さである。麺は唐灰汁入りの灰褐色の麺で茹で方には腰がやや残るほどに。具材はキャベツ、黒木耳、蛍光ピンクで縁取られるはんぺん、竹輪、もやし、あさりなどの海産物がこんもりと乗ってくる。良く炒められ、焼きも良く効いた、汁との絡みも良いのが、出前でも人気なのだろう。ちゃんぽん碗は口の開いた縁に透かしの龍が入ったものである。
再訪して皿うどんをいただいた時の記事である。初回では気が付かなかったようなことに再訪すると気付くのもまた面白い。
店情報
昭和から平成と令和を飛ばして未だ昭和の長崎市であるが、その中でも昭和の面影を色濃く残す中華レストラン、ニューよこはま。甘いのは皿うどんだけではない、ちゃんぽんも甘いのが長崎なんだと改めて思わされる貴重な経験である。
- 住所:長崎市油屋町5−6
- 電話:0958277588
- 営業時間:11:00 - 20:30