建物がほとんど二等辺三角形と個性的な久梅園
長崎中央郵便局前の交差点に立つと、見える建物がある。三階建の普通の建物に見えるのであるが、実は、奥行きが驚くほど小さい。下の写真をみるとわかるように、中町教会の石垣が迫る 背面との距離は大きいところで5mもないだろう。土地がない長崎であるが、ここまでストイックな建物はあまり例がないように思われる。
中に入ってみる。細長い方の頂点側を厨房とし、底辺側を食堂とし、二階も食事スペースとしている。この二階を使うことはあるのだろうかという、客の入りであるだろう。丸電灯とその下のJR九州の長崎駅の時刻表が、ここが駅に近いことを思い出させるが、プラットホームまでの距離は今年の3月で徒歩で15分ほどになってしまっただろう。冷蔵庫を置くスペースもないのか、食堂スペースに大型業務用冷蔵庫を備えている。
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13時を過ぎると客は来ないのだろう、もう閉める気であったらしい店主が前の客の片付けもしないで、応対してくれる。メニューはちゃんぽん・皿うどんの上と並、あとはアルコールである。ちゃんぽん食堂らしい潔さである。タイル張りの床は少し脂が残り、匂いも、嫌がる人は居そうな、ちゃんぽん食堂らしい香りである。
久梅園のちゃんぽん
蛍光ピンクのかんぼこ(長崎弁の蒲鉾、はんぺん と言う)、 野菜の緑があり、野菜が多いちゃんぽんであった。器は、薄いどんぶりであり、これも食堂ちゃんぽんらしさが増強する。塩気はやや薄く、後から上がってくる甘み・旨みがあるちゃんぽんである。最もやさしい味だなと思っている。
長崎市のまちっこたちは、「やさしい味」と言う謎のクライテリアを有しており、どういう味か問いただしても、定義は特にない。ちゃんぽんというとやさしい味という区分けが生まれるらしい。ちゃんぽんでのやさしい味は、昔ながらの、食堂ちゃんぽんの、野菜や他の具材の味が染み出した滋味豊かな味ということらしいのである。これは、長崎における師匠でもあるNBBAと師弟問答を繰り返した挙句に定義されたことであり、おそらく、最も近いものでありそうである。
店情報
- 住所:長崎市中町1−3
- 電話番号:不明
- 営業時間:11:30-14:00
- 支払い:現金のみ
- アクセス:長崎中央郵便局前