島原に行ったら姫松屋の具雑煮
島原に出張で行っても、昼は具雑煮としている。夏の暑い時でも冬の寒い時でも、具雑煮としている。腹持ちも良いし、色々な具が楽しめるのが良いのである。島原鉄道の黄色い車両に揺られていても、どこかウキウキしてくるのは、島原の具雑煮のおかげだろう。
創業1813年の具雑煮屋である。島原の乱の頃、餅を兵糧として貯えており、山海の材料から雑煮を炊いて栄養をとり島原の乱を戦ったという。文化10年(1813年)、初代糀屋喜衛ェ門が、この頃の経験から味付に趣向をこらして生み出したのが「具雑煮」のはじまりと伝えられている。
具雑煮屋であるとさらりと書いてしまったが、その実、地元の方の間では、大村寿司のやまとのようなポジションなのであろう。地元の方々、老若男女が楽しめる料理を取り揃えたファミリーレストランのような雰囲気であり、平日の一人客からボックス席、小上がりの大人数まで対応しているような店舗である。
店内でお冷として提供される水は、島原市内各所で湧いている水である。雲仙・普賢岳周囲から一度地下に下りて、湧き上がってくる水はまろやかでさっぱりとしており、水筒にいっぱいいただくのも良いであろう。柄杓などが設置されている湧水ポイントについては飲用に耐えるとするようだが、早めの利用をした方が良いであろう
姫松屋の具雑煮
出汁が張られた土鍋に、様々な具が入って出てくる。餅、しいたけ、鶏肉、やや厚手の薄焼き玉子、高野豆腐、穴子、蒲鉾、ゴボウ、シロナ、レンコンが、浮かぶというより、土鍋にしっかり詰まった雑煮である。シロナは島原の固有の葉物野菜であり、ワサビ様の香りがするのである。
蓋を挙げた際に、カリッと焼き上げられた穴子の香りが立ち上り、遅れてカツオの出しの香りやら牛蒡の香りやらが入り乱れて上がってくる。まず、汁を啜ってみるのだが、カツオ出汁と醤油味のスープが張られているのに具材から旨味が出てくるのが嬉しいのである。これらの具材に染みた出汁もまた嬉しいのである。高野豆腐と厚手の薄焼き玉子、ゴボウあたりが気に入っているのだが、餅にも旨く出汁が染みており、なんとも嬉しい仕上がりがいつも見られるのが良い。また、姫松屋の具雑煮では餅の個数が毎回同じである様に思う、普通のは5個入り、大は8個入りと決まっている様である。
姫松屋 店情報
島原というと具雑煮なのであるが、長崎にいても、正月の雑煮は島原式とする家庭もある様で、話を聞いてもやはり興味深い。具雑煮風の雑煮を頂いた話は以下の記事で記した。
- 本店(新町店もあり、どちらも便利である)
- 住所: 長崎県島原市城内1丁目1208−3
- 電話番号: 0957637272
- 営業時間: 11:00 - 19:00
- 支払い: 現金のみ
- ウェブ: 姫松屋:島原名物 元祖 具雑煮
- 駐車場が裏手にあるため、車が多く止められるのは本店である