旧県庁前の中華料理 永楽苑
旧県庁というか、以前県庁があった江戸町にある、中華料理をうたう店である。県庁は長崎の中央駅(と呼んでいる。浦上にも駅があり、路面電車もあるため、外国人観光客には特にわかりにくい)裏に移転していったため、以前のような混雑もなくなってしまった。「県庁坂」と呼び慣わされてきた国道202号線の終点付近は今後何と呼ばれるのであろうかと心配になる。※福岡の人によると福銀通りと呼ぶとわかりやすいそうだ。なるほど、福銀か肥後銀行くらいしかランドマークになるものがない。
Covid-19の自粛傾向などもあったが、ほとんど常連さんだけで動いているお店である。メニューも見ずに、ささっと注文し、さっと食べて、出ていく客が多く、この街でのこの回転の良さは、別世界に来ているようである。
ちゃんぽん以外のメニューも案外よく出ているので、何度も再訪して、お気に入りの麺を探すのも良いだろう。
しいたけ肉そばや中国都市名麺の紹介はいづれ。。。
他の麺類では出汁のベースは共有なのか、しいたけ肉そばや広東麺でスープはほとんど同じ味であり、作り方や麺との組み合わせによって、味が変わっていくところは中華料理の醍醐味の一つだろう。
中国都市名メニューは8月5日公開。
dynamic-nagasaki.hatenablog.com
しいたけ肉そばは9月8日公開
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中華料理 永楽苑のちゃんぽん
やや透明なスープのあっさりとしたちゃんぽんである。具材はキャベツ、モヤシ、タマネギ、ちくわ、豚肉、黒木耳、アサリ、蛍光ピンクのはんぺんなどである。スープは鶏ガラスープで、長崎では珍しく、透明なのである。麺は丸い唐灰汁弱めのやや細い黄色の丸麺である。
野菜はややシナっとする程度まで炒められていて、出汁にはキャベツなどの野菜の爽やかな香りと味が染みていて美味しい。あえてであろう、炒める際に使っている油は乳化させずにそのままにしてあり、具材の臭みなどは綺麗に消えており、透き通るスープに鮮やかな彩りがみられる。食堂ちゃんぽん の一つの完成形であろう。彩りといい、歯応えといい、バランスが取れているのが嬉しいし、夏にあっさりとしたスープでいただくちゃんぽんというのは、案外この町では珍しい様に思う。あ、永楽苑ちゃんぽんを食べたいなあと思い出す味である。
器は平たい口の開いた白磁の碗である。縁にはコバルトの雷紋様、以前は出前をやっていたのだろう、電話番号と永楽苑の文字が見えるのである。
長崎の定番、昆布のおにぎりとともにいただきたい。昆布のおにぎりはとろろ昆布をまぶしたおにぎりで、中に梅干しを入れている場合と、添えている場合がある。長崎市内の小中学生はお弁当に必ず入っていたという人が多く、これも長崎県というより、長崎市内の風習の一つである。この海の昆布の風味を、鶏ガラなどの動物性の旨みと対比させるのがまた良いようにも思えるのだ。
冬季の永楽苑のちゃんぽんは牡蠣入り(※2021年1月21日追記)
冬に入り、ある日、久しぶりにさっぱりちゃんぽんをいただきたいと思い、永楽苑に向かう。このご時世なのに、昼間にちゃんぽんで会食に勤しむおじさんたちの一団が多いのである。さすが西の果ては空間の歪みに存在するという説もあるくらいで、現状や言語理解に乏しい人々が多い街DJNである。
さて、目的のちゃんぽんであるが、小牡蠣入りで、夏までの鶏ガラスープに、ほのかに牡蠣の出汁が滲み出ていて、冬に欲しいコクが追加されている。小さな牡蠣で、九十九島あたりで多い大きさであった。
店情報
- 住所: 長崎県長崎市江戸町1−8
- 電話番号: 095-821-0154
- 現金のみ
- 営業時間:11:30-13:30(LO) 17:30-21:00
- 定休日:日祝日 そのほか不定休の日もある