長崎といえば何だろうか?
長崎といえば、何を思い浮かべるだろうか?この縦と横に長い長崎県を思い浮かべる人もいれば、ただ、長崎市だけを思い浮かべる人もいるだろう。非常に行き来がしにくい、この地域では特に長崎というアイデンティティがあまり強くないのも特徴である。
半島だけで、西彼杵半島、島原半島、長崎(野母)半島、北松浦半島と4つあり、離島も五島列島、壱岐、対馬とある。本土に繋がる平戸や生月と云った島もある上、本土沿いに並んだ小さな島々が点在し、最も県域の島嶼数が多い。また、海岸線の長さは全国でも二位。面する海域は主に東シナ海から日本海であるが、玄界灘、対馬海峡や壱岐水道と云った北方、五島灘を中心とした西方、有明海のある東方、橘湾や天草方面の南方と、佐賀県と接する部分以外を海に囲まれている。
都市も北部の佐世保市を中心とした、佐賀福岡文化圏と、南部の長崎市を中心とした長崎文化圏、島原や上下五島、壱岐、対馬とそれぞれの地域でも習俗も併せて異なっている。歴史の上では、大陸からの防衛の要衝であった対馬・壱岐と肥前は別の国であった。港が多いこの地域は海賊の拠点になったり、海外の交易拠点となった港も多く、江戸開府以前は多極化した地域であった。明治維新以降では佐世保に鎮守府がおかれ、急速に発展するなど多極化した県内は藩に関わりなく、佐世保の人は出身を長崎と言わず、佐世保という。ようは「寄せ集め」である。
目的
長崎というのは、魑魅魍魎とした怪しい概念であることが上記の地形・文化背景からわかり、街道沿いの行き来程度であったためだろうか、どこか、お互いがよそよそしいのが、この県のあり方であるらしい。多様性ということが言われるような現代であり、元々多極化していたこの地域で、長崎という緩やかな括りについて、細々としたものを通してそれを再確認していくのを目的とする。特にこれといったアウトカムを求めない点で学術的なものではないことも付記しておく(必要な時にやるものであるから)。
ただ、書きつけていくだけのものである。